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日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯 2012

昨年覇者は大親友、岡茂洋雄(おかもひろお)が好発進

ディフェンディングチャンピオンの河井博大も、“ひろお”。そして「僕も“ひろお”」。同じ名前に、やはり同じ、広島県出身。昔なじみの大親友は、昨年の河井の優勝に涙した。
「現場で見られなかったのは残念だったけど」。
予選落ちをして、親友の感動シーンは自宅のテレビで見た。
「もちろん、刺激にはなった。でも、勉強には一切、ならないけれど」。

河井の絶対に曲がらないショットは、そばで見ていても「なんでそう打てるのか」。さっぱり分からない。「あいつは、教えるのが下手くそで。教える能力はまるでゼロ」。

かわりに、岡茂がお手本にしているのが、3つ年下の田中秀道。
「彼の教える能力は抜群。天才ですね」。
2010年に、岡茂が初シード入りを果たしたのも田中のおかげだ。

かみ砕いてわかりやすく、すんなりと入ってくるアドバイスの数々を、岡茂は「秀道理論」と呼んで傾聴している。
「僕のいいのを引き出してくれた」との感謝が恨み節に変わったのは昨年。
せっかく岡茂のシード元年に、田中はツアーの出場権を失って、ほとんど試合に出られなくなった。
「教えてくれる人がいなくなり、俺のシード落ちは、お前のせいだ」と、わずか1年の陥落には、本人にも直接抗議をしたものだ。

このオフは、徹底的にその穴埋めをしてもらった。改めて、秀道理論を骨の髄までしみこませて、新しいシーズンを迎えると、主戦場のチャレンジトーナメントでは優勝争いの末に2位。

また、この日暫定首位の谷口徹の教えも効いている。「オフに宮崎合宿に参加させてもらって。あの人は凄い。俺もあの人の脳みそが欲しい」と惚れ込んだ“谷口理論”もたっぷりと栄養にして、今季は自信に満ちている。

「普通にやれば、上位でゴルフが出来る」。
今週の出場資格は、昨年の北陸オープンの優勝者が、少ないチャンスを生かして、大親友に近づいた。
「今年も“ひろお”が2年連続で、優勝争いをしたらおもしろいのにって。河井とも話してたんです」。
このまま順調にいけば、冗談ではすまないかもしれない。

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