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東建コーポレーションカップ 1999

首位の中嶋常幸

中嶋は、出足でヒヤっとさせられた。
1番ホールのティショット。右の崖下に落とし、5アイアンでのリカバリーショットが今度は右ラフへ。そこからの寄せもうまくいかずにピン奥7メートル。さらにそこから3パットと、いきなりドタバタのボギー発進に、嫌な予感が・・・。
「最悪のスタートと、がっくりきた」(中嶋)。
だが、その気持ちは長くは続かなかった。
次の2番ショートでは、第2打を4番アイアンでピン右70センチにつける快心のショットを放ち、「ああ、大丈夫、大丈夫と思えた」という。
このホールで一挙に波に乗った。
見せ場は、16番ミドル。
右手に林が茂るブラインドホールで、「よほど気合が入ったショットでないと超えられない」ことを承知で、ショートカットを試みた。
高めの弾道を出すため握ったスプーンと、普段より高いティアップ。見えないグリーンに向かって打った球は、フォロー風にも圧されてピン15メートルに見事、ワンオン。
「自分の体を惚れなおしたよ。俺はまだ若い!ってね」笑いが止まらない。
明日は「もう、前はいつだったか、思い出せないくらい」久々の最終組スタート(決勝日から、前日の上位選手ほど、遅いスタートとなる)。
「深層心理の中に、貪欲さが混じっている」と中嶋。
もちろん欲しいのは、4年間、遠ざかっていた優勝だ。

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