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2007年度ツアーのチャリティ活動基金を、ガン撲滅基金に寄贈

今年度のジャパンゴルフツアー選手会の副会長に就任した近藤智弘は、身内や知人をガンで亡くした経験がない。だから、これまではいまひとつ、その病の恐ろしさに実感が持てなかったのだが、この日1月11日(金)は、さすがに身につまされる思いがした。

社団法人 日本ゴルフツアー機構とジャパンゴルフツアー選手会が、昨年1年間を通じてトーナメント会場等で行ってきたガン撲滅のチャリティ活動。
集まった145万9643円を持って、都内港区にある「財団法人 高松宮妃癌研究基金」の事務所を訪れた。
平成16年12月に薨去あそばされた高松宮妃殿下のご遺影の前で、選手を代表してチャリティ基金を寄贈した。

そのあと、廣澤眞信・常務理事に1本のビデオテープを見せてもらった。

昨年末にテレビ放映されたもので、そこには同基金を設立された高松宮妃の「ガン撲滅」への並々ならぬご意志があふれ出ていた。
母君を癌で亡くされたのをごきっかけに、いまや4人に1人がおかされるという恐ろしい病いの一掃にご尽力されながらその後、殿下をもガンで亡くされた妃殿下のご無念とともに、ますますその思いを強くされていかれたご様子には、近藤の胸にも迫ってくるものがあった。

実は近藤自身も昨年、ガン検診を受けたことがある。
シーズン途中に体調を崩し「ぜひいちど、この機会に」と、主治医に勧められたのだ。
「何にもあるわけない」とタカをくくりながらも、実際に検査結果で「異常なし」と出て心底、胸を撫で下ろしたことは今でも記憶に新しい。

「とにかく、ガンが怖い病気だってことも知っている。早期発見なら、助かる確率が高いということも」。
妃殿下のご遺志を汲んで、これからも少しでも力になりたい。
そんな思いで一杯になったのだ。

ジャパンゴルフツアーにおける「ガン撲滅」の活動は、1994年までさかのぼる。
当時多くのツアー選手たちと交流があり、また、ゴルフをこよなく愛し、ゴルフを通じて多くの人々に愛されたタレントの逸見政孝氏、ハナ肇氏が相次いでガンで亡くなられたことをきっかけに第1回大会が行われた「ガン撲滅基金 ゴルフ東西対抗」は毎年、その収益を「財団法人 高松宮妃癌研究基金」へ寄贈。
2000年には妃殿下より賜杯をたまわり、名称も「ガン撲滅基金 高松宮妃賜杯争奪 ゴルフ東西対抗競技大会」と改められた。

毎年の恒例行事として、広く認知されてきた今大会は2006年を最後にいったん途絶え、次の開催もまだ未定のままだ。
「僕らが、目に見える形で貢献できる貴重なイベントのひとつ。楽しみにしてくださるファンの方も多かったし、ぜひもういちど良い形で継続していければ」。
寄贈式を終えて事務所からの帰り道、副会長は沸き起こる思いをとつとつと話した。
  • 昨年度ツアーのチャリティ基金を(財)高松宮妃癌研究基金の廣澤眞信・常務理事(右)に託した近藤(中)。左は同席した(社)日本ゴルフツアー機構・専務理事の渡辺一美

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