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ダイヤモンドカップゴルフ 2010

薗田峻輔と石川遼が、いざOB対決!! 結果は・・・

9位タイでベストアマチュア賞に輝いた浅地くんは現在、杉並学院高2年の17歳。そしてこの春、卒業したばかりの石川遼は18歳。やはり“OB”の薗田峻輔は20歳。

ひと昔前の、バリバリの体育会系を経験してきた大人たちには、考えられないことかもしれないが、彼らは先輩、後輩の間柄でありながら、お互いにお互いを「君」づけで呼ぶ。

「洋佑も、僕のことを“遼クン”と呼びますね」と、石川は言った。「僕らの学校は、良い意味で上下関係がないし、むしろ僕は洋佑に“石川先輩”とは呼ばれたくはない」と話していたものだが、3人の関係を観察していると、けっして馴れ合いの末に、そう呼び合っているわけではない、ということが分かる。

もちろん、親しみを込める目的でもない。
それどころか相手を認め合い、互いに互いを尊敬しあっているからこそ。

石川は後輩の浅地くんをして、こう表現した。
「洋佑は昔から、僕よりもずっとアプローチ、パットの技術が上です」。
そして4日間、堂々とプロの舞台で渡り合った浅地くんには「その実力がある選手。さすがです」と、褒めちぎった。

そして最終日はプロ転向後、初の同組ラウンドとなった薗田にも、「ドライバーはダイナミックで飛距離も僕が良いショットを打っても追いつけなかった。アイアンにはキレがあり、ラフからのアプローチもすべてにおいて、凄かった。ジュニア時代から、変わってなかった」と、賛辞を惜しまなかった。

薗田のほうも、また然りで2つ年下ながら、石川に対してすでに、一流プロ同然の扱いだ。
今週は、薗田のプロ転向後、初の決勝ラウンド進出だった。
「そこで、まさか遼と一緒に回れるとは思わなかった」。
すでにツアー7勝の後輩と、今季は予選会のファイナルQT(ランク22位)からの参戦である自分との立場をわきまえ、「今日は、もっと緊張するのではないかと思っていた」と、スタート時の心境を振り返った。

結局、通算6アンダーの15位タイにつけた薗田に対し、石川は通算2アンダーの32位タイに終わったが、尊敬の念が変わるわけがない。
「遼は調子が悪そうだったけど、盗むところが一杯あった」と、後輩から学ぶ姿勢も忘れない。

そして、3人に共通して心の底にあるのは、「あいつには負けたくない」とか、「あの人に、いつか追いつきたい」という、強烈なライバル心。そんな彼らが机を並べ、夢を語りあった学生時代。
「いつかプロの試合で一緒に優勝争いをしよう」と、約束した。
共通の夢実現にむけて確かに一歩、前進出来たと感じられる1週間だった。
「何年後かには叶えられそうだという実感があった。僕も頑張らないと」と、石川は言った。

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