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フジサンケイクラシック 2009

武藤も久保谷も完敗

最終組で回った武藤も
石川と、最終日最終組で回った2人もただため息をつくしかなかった。武藤も久保谷も、とうてい石川を追いかけるという雰囲気はなく、まさに自分のプレーで精一杯という状況だった。

「付けいる隙は十分あったと思う」とは武藤だ。石川も前半は伸び悩み、一時は通算9アンダーまでスコアを落とした。スタート時にすでに5打差あったといはいえ武藤が石川を捉えることは不可能なことではなかった。「でも、その付けいる隙を、何とも出来なかった」と、うなだれる。

出だしから、3メートル弱のチャンスを外すなど、依然としてパッティングが決まらなかった。
65をマークして「迷いもなくピンに向かってクラブを振れている」と自信満々だったショットも2日目ほどの精彩はなく、5番で第2打を池に入れるなど、「そこから後手後手。悔しいというよりも、これだけ自分のゴルフが悪いとどうしようもない。残念、で片付けちゃいけないんでしょうけれど、しょうがないとしか言いようがない」と、結局通算3アンダーは6位タイに唇を噛むしかない。

久保谷は、この日は9月のさわやかな晴天にもゴルフは最初から雲行きが怪しかった。ショットは「朝の練習場から、昨日とは違っていた」。
もともとパットに不安があり、それをカバーしてあまりあるアイアンの切れが、最終日にはすっかり消えていた。

「1番でいきなりミスパット」。絶好のチャンスを外し、それを後々まで引きずった。
すぐあとの2番で3パットのボギーを打って、「頭の中が、パットのことで一杯になってしまって。ジャッジも間違ったし、思考能力もなくなった。そういうのが積み重なった」という。

5番で池。続く6番パー5は、第2打を左の林へ。低い球で脱出したが、奧のラフ。アプローチはまたしても乗らず、5打目はピンを3メートルもオーバーした。

「このダボで、試合のことを忘れて練習のつもりでプレーするようにした。これまで3日間の感触を思い出しながら、ラウンドしようとしたが戻らなかった」。

さらに9番も第2打を池に入れて、早々に戦線から脱落した。
もともと「手堅いゴルフをするタイプ」だ。
まずは一番にボギーを打たないことを身上とする選手が78を打ち、「久々の大叩き」にも「精神的には大丈夫です。誰よりも強いので」と、気丈に言った言葉が痛々しかった。
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