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関西オープンゴルフ選手権 2009

ツアー初Vを狙う、地元・関西出身の山下和宏

近頃とみに、周囲の声が大きくなった。「そろそろツアーで初優勝を」。先のサン・クロレラ クラシックで優勝争いの末に、自己ベストの4位タイ。
ホールアウト後に、ともに最終組で回ったブレンダン・ジョーンズにも言われた。
「次は絶対に勝てるよ」。その言葉に本人も大いにその気になったものだが、周りの期待はそれ以上だ。

このオフ、久々に所属コース(兵庫県のザ・サイプレスゴルフクラブ)に顔を出したときには「僕以上にメンバーさんたちのほうが、気合いが入っちゃってて」と、苦笑する。

もともと義理人情に厚い選手なだけに、答えたい気持ちは一杯だが、かえって力が入ってしまって今週に入ってスイングの調子はやや下降気味……。
「ダメですね。普段どおりのゴルフで、リラックスしてやらなくっちゃ」と本戦を目前に、逸る気持ちを懸命にいさめる。

一方で、「いま、確かに自分に波が来ている」との自覚もある。
この2週間のオープンウィークに、勝利の美酒を味わった。
8月7日から2日間の日程で、奈良県の阿騎野ゴルフ倶楽部で行われたツアー外競技の南都オープンで優勝を飾り、小田孔明の3連覇を阻止した。

また今年は7月に、やはり地区競技の北陸オープンでも優勝しており「以前は霧の中にあってどこにあるか分からなかった優勝の二文字が、いまはそれも晴れて手を出せば手の届くところにある」と、言い切れる自信も出てきた。

開催コースの宝塚ゴルフ倶楽部は、新大阪の自宅から車で40分。自宅通勤の今大会は、京都の城陽カントリー倶楽部で行われた2005年大会で優勝経験もあり、18年ぶりにツアーに復活した今年こそ、ぜひ大会2勝目でツアー初Vを飾りたい。
「地元だし、そうなれば最高だと僕も思っています」と、人の良い笑顔で大きく頷いた。

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