Tournament article

ダンロップフェニックストーナメント 2009

小田龍一は「上出来です、十分です」

1番で8メートルを沈め、そこから一気に3連続バーディを奪って波に乗るどころか「逆に固まった」。

むしろボギーで出たほうが、発奮するタイプだ。
「それが、今日はいきなりこんなに良いスタートを切って。逆に守りに入ってしまった」。
いつもなら、そこからずるずると貯金を使い果たしてしまうのがオチだったが、そうならなかったのは、やはりこの人の存在か。

同組で回ったジャンボ尾崎に、「下手なところは見せられない」と、ひそかに気合いを入れたのが、初日の好スタートにつながった。

3アンダーでホールアウトするなり、地元テレビ局に囲まれてつい、180センチの身が縮こまる。
人前に出るのが大の苦手だ。
苦笑いで「本当は、そっとしておいて欲しいのですが……」。
今となっては、そうもいかない。

10月の日本オープンであの石川遼をプレーオフで下し、ツアー初優勝を飾って以来、結成されて5年になる地元ファンクラブに入会したいという声も一気に増えた。

鹿児島県の自宅から車でも約1時間半で来られる今大会には毎年初日に、「飛龍会(ひりゅうかい)」のみなさんが、バスを1台チャーターして応援に来て下さるのだが、今年は例年より1.5倍の30人が駆け付け、ロープから熱い視線を送られた。

その中での好発進に、「恥をかかないで済んだのだけで上出来です」。
2勝目は、1勝に引き続きこれまた優勝賞金4000万円というビッグマネーを手にするチャンス到来にも、「あの1回だけで十分です」と、口では相変わらず控えめだが……。

関連記事