Tournament article

ブリヂストンオープン 2009

QT組の小林正則がシード復帰を狙う!

491ヤードは右ドッグレッグの2番パー5はなんと、グリーンエッジまで100ヤードを切っていた。
完全に、右の林を向いて打ったティショットは高々と木々の上を越えて、みごとフェアウェーに着地した。

そこから、奧6メートルのイーグルパットは惜しくも外したが、楽々バーディで波に乗った。
今週は7番、18番で計測中のドライビングディスタンスは平均302.17ヤードを記録して、現在6位につける飛ばし屋は、激しいバーディ戦にも乗り遅れることなく、通算11アンダーは3位タイに浮上して、がぜん欲が出て来たのも当然だ。

プロ4年目のチャレンジトーナメントで賞金ランクは1位に輝き、ツアーの出場権を手に入れて、翌年に初シード入りしたのもつかの間だった。

2年目の2004年に賞金ランクは128位に落ち込み、あっけなくシード落ちした。

186センチの長身を生かした飛距離が持ち味だった。
しかし、安定性を求めてスイングの試行錯誤を続けるうちに、迷路にはまり込んだ。

出場権すらままならない時期が続き、一銭も稼げない年が2005年から3年間も続いた。
ようやく、レギュラーツアーに戻ってきたのが今年だ。
昨年のファイナルQTで、ランク2位につけて権利を取り返した。

そして現在の賞金ランクは82位。
シード復帰のことを思えば、つい力も入るというものだが、「そういう小さなことを、考えてプレーしたくない」と、懸命に邪念を振り払う。
「せっかく与えられたチャンスなので頑張りたい」と、気合いが入る。

最終日の最終組は小林が加わったことで、3人とも日大出身。3つ年上の横尾と片山の胸を借りることになる。

「余裕はないけれど、楽しみです。優勝目指してやりたいな」と極力、冷静に言葉をつないでいた小林が、ふと本音をむき出した。
「明日は、うまくいってくれないかな…」と、祈るように言ったあと、「うまくいってくれよ、頼むから!」。
最終日にむけ、誰にともなく思いのたけを吐き出していた。

小林正則(こばやしまさのり)
1976年2月14日生まれ、千葉県出身。
東京学館浦安高から名門・日大へ。4年時にアメリカで武者修行を積み、98年にプロ転向。
豪快な飛距離を生かして2002年に初シード入りを果たしたが、2004年に転落。
以来、チャレンジトーナメントを中心に復活のチャンスをうかがっている。
身長186センチ、体重79キロ。

関連記事