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ブリヂストンオープン 2009

池田勇太が好発進

専属キャディの福田央さんがホールアウト後にほっと息をつく。「あれで、よく完走できましたよ」。池田が右手の甲を痛めたのは2週前。今季3勝目をあげたキヤノンオープンだった。
その原因は、いまだ「不明」だ。

しかしそんな素振りは微塵も見せず、ひそかに治療を続けながら戦ってきたが、大事なこの週に限界がやってきた。
「地面に当たる瞬間が一番痛くて」。

本戦前日の水曜日に「仕方なく」患部にテーピングを巻いたそうだが、痛み止めの薬を飲むのは最終手段に取ってある。

負傷を抱えながらもボギーなしの5アンダーは、「不安があるから、いつもより易しく攻めている。それが、逆に良かったのかもしれないな」。
また契約先のブリヂストンから今週、新しく受け取ったドライバーのフィーリングも良くて、「良いクラブに巡り会えたから、気持ち良く打てている」と、あくまでも自信満々に言い切る様子には、執念すら感じさせる。

今週こそ、痛がっている場合ではない。
千葉学芸高時代から、2度のベストアマチュア賞に輝いているこのホスト大会は、開催コースのここ袖ヶ浦カンツリークラブが実家から車でわずか5分という立地にあり、小学生時代から、慣れ親しんできたいわばホームコースでもある。

まして、賞金ランクは石川と約1900万円差の2位で追いかける23歳が、弱音を吐くわけがない。
会場中の期待を一身に背負い、「日々スコアを伸ばしてしっかりと戦いたいと思います」と、唇を一文字に結んだ。

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