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東建ホームメイトカップ 2009

今季本格参戦の額賀辰徳(ぬかがたつのり)が強風の中、好スタート

昨年のチャレンジトーナメント賞金ランク6位の資格で今季、初の本格参戦。このツアー開幕戦は初出場だから、さぞや緊張したかと思いきや「まったくでした」と、あっさりとしたものだ。

「むしろチャレンジのほうが、緊張する」。
というのも、チャレンジトーナメントはほとんどの大会が2日間競技で予選は1日。
「短期決戦だから焦ってしまうけど、トーナメントは4日もあるから」。

逸る気持ちを懸命に抑える。
この心がけが、コースマネジメントにも生きる。

この日は「頭を使ってプレーした」という。

少しでも距離感を誤れば、奧まで転がり落ちる。
固くて速いグリーンは、必ず手前から攻め「絶対に無理はしない」と言い聞かせた。
「そうでないと、僕はすぐにピンしか見えなくなるから」。
それで、取り返しのつかない大きなミスをする。

その悪循環に気づかせてくれたのは、谷原秀人だ。
このオフ、合宿先のグアムで偶然に出会い、合流させてもらった。
一緒にラウンドして分かった。
「頭を使ってプレーすると、ゴルフがシンプルになるんだな、と」。
谷原に教わった、セオリーどおりのゴルフに徹してこの日初日は強風の中、怪我を最小限にとどめた。

迎えた最終9番は、残り123ヤードから右横1メートルにつけてバーディフィニッシュ。
1アンダーは、上々の滑り出しだ。

3アンダーの4位タイにつけた松村とは同い年。
中央学院大時代は常に額賀の圧勝だった。
関東アマ連覇に日本学生、朝日杯、アジア大会メダリスト…数々のアマタイトルをひっさげてプロ転向を果たしたものの、初シード入りは日大出身の松村に先を越されたから分からないものだ。

「それが僕の実力だったんです」と真摯に頭を垂れた額賀は、ようやく同じ舞台で戦える喜びを噛みしめる。
そして誓った。
「試合に出る以上は、常に優勝を狙ってプレーする」。
初優勝を狙う立場は互いに同じ。本当の勝負はこれからだ。

額賀辰徳(ぬかが たつのり)
1984年3月28日生まれ。茨城県出身。小中はサッカー部。しかし当時はいまほど体格にも恵まれず、「サッカーにも飽き始めていた」。ゴルフに出会ったのはちょうどそのころ。近くの練習場に通いつめ、めきめきと腕をあげた。
茨城の鹿島学園高から、千葉の中央学院大へ。
関東アマ連覇、日本学生、朝日杯、アジア大会メダリスト、2004年日本オープンローアマなど、輝かしい成績を引っさげて2006年にプロ転向を果たしたが出場権に恵まれず、昨年のチャレンジトーナメント賞金ランク6位の資格で今季、ようやく念願の本格参戦だ。

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