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つるやオープンゴルフトーナメント 2008

S・K・ホ「第二の故郷で勝ちたい」

ボギーなしで迎えた第3ラウンドの最終18番。ティショットが風に流されバンカーへ。7番アイアンを開いて脱出を試みた第2打は、しかし十分な高さが出せず、前方の淵に激突。最後に痛恨のボギーを打ったがカリカリしない。

「今日はこの風の中、1つくらいのボギーは打つ。笑って受け止めよう、と」。
奥3メートルにつけたパーパットも「上につけた時点でチャンスはなかった」とサバザバと、「今日のラウンドで、かなり自信がついた」と、かなりの手ごたえをつかんでいる。

初日の大雨の影響で予選2日間は、チャンスパットをことごとくショート。
ストレスがたまったが、それでもストロークの強さは頑固に変えなかった。
「週末は、晴天が続くということだったから」。

予報は的中し、しかもこの日3日目は強風が吹き荒れた。
硬さと速さを増したグリーンに、それまでのタッチがピタリとハマった。
大量アンダーにつながった。

この日3日目は朝6時38分に、前日の第2ラウンドの残り3ホールをスタート。
地元・西宮市の自宅からコースまで、車で丸1時間。
早朝4時起きはつらかったが、どんなに寝不足になっても自宅通勤は譲れない。

開幕から5月いっぱいまで7連戦。
それでなくとも会えない日が続くのに、長男・トンファくん(1歳)の顔が毎日見られる幸せを、みすみす放棄する手はない。
家族の存在が、何よりゴルフの原動力だ。

母国韓国からこの地に移り住んで3年弱。
かけがえのない親友も増えた。
この日も、大きな声援に支えられてスコアを伸ばした。

昨年の賞金ランク47位は2002年に初シード入りして以来の自己ワースト。
最終日最終組は、2006年のウッドワン広島オープン以来。
久しぶりの優勝争いは「あのときの気持ちを思い出しながら楽しくやりたい。第二の故郷でぜひ勝ちたいですね」。
いつもの柔らかな笑みに、気負いはみじんも見られない。

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