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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2008

ドンファンは「最後にきっちり締める」

“アニキ”と慕う原口(右)は、ドンファン(左)がギャラリーでついて歩いた先週のカシオワールドオープン3日目に5位浮上で「俺もという気になった」という
実は昨年も出場権があったが、米ツアーのQスクール挑戦のため、やむなく欠場した。だから、今年が今大会初出場。
今年は賞金ランク17位の資格で、2年連続の出場権をゲットした。

このツアー最終戦のあと、しばらく日本を留守にする。
今月22日から、母国・韓国で成人男子に義務づけられた2年間の兵役につくが、今シーズンはそのことで若干、モチベーションが下がったのは否めない。

ミスしても、予選落ちしても「まあ来年は日本にいないんだから」という思いから、あまり悔しくなれなかったのだ。

しかし、先週のカシオワールドオープンで気がついた。
やはり予選落ちしたが、しばらく会えないということで週末もコースに残り、来日から何くれとなく

面倒見てくれた先輩で大親友の原口鉄也のギャラリーをして歩いていたら、こんな思いが沸き起こってきたのだ。

「俺はいったい何やってるんだ」。

ゴルフが大好きで、プロになった。
「自分が大好きなことを思いっきり出来る幸せな環境にいる」。
それなのに今の自分はロープの外で、手をこまねいている。
「なんてもったいないことをしてるんだろうって…。自分に凄く腹が立ってきたんです」。
このツアー最終戦に、賭けてみる気になったという。

気持ち新たに乗り込んできたこの頂上決戦で、狙うはもちろんツアー通算2勝目。
いよいよ迫った出発を前に、日本のファンに“ドンファン”の名を印象づけたい。

この日3日水曜日のプロアマ戦で初めてラウンドした舞台は、これまでテレビで見ていたとおり手強いコースだ。
「グリーンは固いし、トッププレーヤーが競い合うのにふさわしい」と警戒を強めるが、今週は心強い相棒がいる。

同い年の大親友で、プロゴルファーのシン・ハン・スー選手がバッグを担ぐ。
スー選手も来年から兵役につくだけに、ぜひ2人の記念の試合にしたい。
「最後、きっちり締めます」。
21歳が男気を見せる。

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