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カシオワールドオープン 2008

津曲が土壇場の逆転、初シード入り!

プロ3年目の22歳、津曲泰弦(つまがりたいげん)が自身の最終戦、カシオワールドオープンで逆転の初シード入りを果たした。最後の1打が生きた。18番で、残り50ヤードからサンドウェッジで1メートルにつけてバーディを奪い、通算1アンダー。

だがこの時点では、まだ“圏外”のランク75位。蒼白な顔でホールアウトしてきた津曲は、「あともう少しだったのに…」と悔しがり、「まだ他の選手が終っていない。分らないよ」と諭す両親の声も聞こえず「もう絶対にダメ。来週からQTに行かなくちゃ…」と、繰り返すばかりだったのだ。

しかし、そのあと2時間ばかりの間に、状況は一変した。
一時は“圏内”にいた佐藤えいちが11位に終り、津曲とタイで並んでいたプレー中の選手が何人か脱落し、ついにはわずか7万9768円差でボーダーラインをクリアした。

たちまち表情に赤みが戻った。
生き生きと、「来年は、もちろん初優勝を狙います」。

そう言えるだけの自信もついた。
ファイナルQTランク24位の資格で自身初の本格参戦を果たした今年は、7月の「長嶋茂雄INVITATIONAL セガサミーカップ」で自己最高の3位タイ。

賞金ランクは当時の45位につけたことで「もう大丈夫」と思い込んでしまったが、そのあと高額賞金の大会で立て続けに予選落ち。
足踏みをしている間に下位の選手にあっという間に抜かれ、この最終戦で冷や汗をかくことになってしまった。

「なるようにしかならない」と覚悟を決めて本戦を迎えたものの、「今日、結果を待っていた時間が一番つらかった」と苦笑したが、苦しんだ甲斐はあった。

来年は晴れてシードの仲間入りに、次々と課題が出てくる。
まずは体だ。
現在85キロの体重は「太りすぎです。あと10キロは減らしたい」。
そして、どんな状況でも息切れしない逞しい身体を作り…。

ひとしきり語ったあと、「でもその前に、温泉でも入って2,3日ゆっくりします」。
激動の4日間に、ほっと息をついた。

なお73位の津曲のほか、今季初シード入りを果たしたのは、ランク5位の石川遼と、7位の甲斐慎太郎、27位の松村道央、35位の貞方章男、42位の山下和宏、49位の金 庚泰(キムキョンテー)、51
位の上井邦浩、52位の池田勇太、63位の前田雄大、64位のエディー・リー、67位のハン・リー、68位の中島雅生の13人です。

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