Tournament article

ブリヂストンオープン 2008

矢野東の葛藤

今季2勝目をあげて、賞金ランク2位に浮上した矢野には悩ましいことがある。今年、年頭に掲げた目標のひとつが米ツアーへの挑戦だった。9月の賞金ランキングで出場権をかけた予選会Qスクールのセカンドステージの権利を得た矢野は、さっそくエントリーを済ませたがその直後にツアー通算2勝目をあげて、にわかに見えてきたのが初の賞金王だった。

予定どおりにQスクールを受験するなら、11月から続くビッグトーナメントを欠場せざるをえない。
そうなると当然、賞金王の可能性は薄くなる。

いま絶好調なだけに「アメリカに行ってもやれそうな気がする」。
手応えを感じる一方で、強く後ろ髪ひかれるのもまた事実だ。

前日3日目も、米ツアー参戦の経験がある久保谷健一に相談したら「実際に行ってみないと分らないこともある。絶対に行くべきだ」と説得されて、ますます考え込んでしまった。

実際に、出場権を手に入れたあとの不安も払拭できていない。
日本でやる分には毎日のように、山坂元一トレーナーのケアを受けられるし、スイングの不安もコーチの内藤雄士さんのおかげで即座に払拭できる。

「今の調子を支えてくれているのは間違いなくこの2人。2人がいない環境で、やっていく自信がない」と、さすがの絶好調男も未知の世界にはちょっぴり腰が引けている。

そうはいっても期限は迫っている。
「いろんな人と話し合って、早めに決めます」。
さて、いったいどんな決断を下すのやら・・・。

写真下=矢野が頬張るのは、はるばる北海道から駆けつけてくださったファンの方が届けてくださったケーキ。チョコレートでかたどった矢野そっくりの似顔絵と「V3」の文字に感激した矢野はさっそく味見をして「うまいっ!!」。

  • 元エースキャディで今は群馬県・富岡市議の兄・勅仁さん(左)、また米ツアー参戦を勧める久保谷ら大勢の仲間が祝福に駆けつけた!

関連記事