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日本オープンゴルフ選手権 2008

上井邦浩「目の前のことで一杯一杯」

普段はパー5として使用している467ヤードの14番は、大会では距離の長いパー4に。しかも、緩やかな打ち上げのティショットは、落としどころが狭い上に、右サイドから松林が張り出す。
さらに待ち受ける砲台グリーンは、花道を挟んで大きなバンカーが口をあける。

難易度1位のホールで、この日バーディを奪ったのはわずか4人。
5位タイにつけた上井邦浩も、そのひとりだ。

ティショットはクリーク。フェアウェイをキープして、残り220ヤードの第2打は、打ち上げを計算して3番アイアンを握り1メートル半のチャンスにつけた。

ここ古賀は14番を含め、インコースの終盤に難しいホールが集中しているが、次の15番で連続バーディを奪い、18番でも5メートルのチャンスを決めた。

2アンダーでターンして、イーブンパーでうまくまとめた。

小さく、アンジュレーションがきついグリーンに苦しみ3ホールで3パットしたものの、正確なショットでフェアウェイをキープして、上々のスタートだ。

所属コースの三好カントリー倶楽部で行われた2週前のコカ・コーラ東海クラシックで4位タイにつけ、翌週のキヤノンオープンの出場権を手にした。
しかし、初シードも見える位置での2試合連続出場で、「考えすぎて」振るわず、41位タイに終った。
だが今週は、余計なことを考える余裕もない難しさで、それがかえって助かっている。

「目の前のことで一杯一杯。コースに集中するしかないのがちょうどいいのかも」と、苦笑する。

ちかごろ、ショットが絶好調なのは谷口徹に「厳しい」レッスンを受けたおかげだ。
「何かと可愛がってもらってくれる」そうで、このオフやオープンウィークにラウンドに誘ってくれた。
その最中の歯に衣着せぬ毒舌は、時にメゲるが「あれに耐えたら、誰だって強くなります」。
難コースにも負けない強さも、そのとき養われたのかもしれない。

初日の好発進も「明日は耐える日」と心得て、浮き足立つことなく名古屋商科大4年時以来となる自身2度目の大舞台に挑む。

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