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コカ・コーラ東海クラシック 2007

井上信「僕にはもう、後がない」

朝から降り続いた雨。難攻不落の三好は、この日いっそうの牙をむいた。300ミリ以上に成長したラフは、打ち込んだらノーチャンス。たっぷりと水分を吸い取って、クラブヘッドを絡め取って容易には離さない。

「こんな日こそ、ラフからの100ヤードより、フェアウェーからの200ヤード」。そう心に決めて耐えに耐え、ボギーをわずかひとつにおさえて通算2アンダーは、1打差2位でホールアウトだ。

毎年、シーズン中盤まで本調子が出ない。
原因不明のスランプに陥って、「今年は、もうゴルフをするのもいやな時期もあった」と、振り返る。
シード3年目の今季は15試合に出場して予選通過はわずか3回。
賞金ランク81位はまだ500万円弱しか稼いでいないが、どういうわけか秋を迎えるころには、ふいに息を吹き返すのが例年のパターンだ。

「・・・どうして、毎年こうなっちゃうんでしょう。自分でも分からない」と、首をかしげつつ「とにかく僕には、今年ももう後がない。見ている人には面白くないかもしれないけれど、明日もとにかくしのぐしかない」。
切羽詰まった井上が、しぶとく上位に食らいつく。

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