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コカ・コーラ東海クラシック 2007

藤島豊和「あがってしまって、何がなんだか・・・」

最終日もド派手なポーズで大会を盛り上げた
激戦を戦い終えた18番。本当なら、早々に前から退散してしまってもよかった。大歓声に応えるチャンピオンの横をすり抜けて、こっそりと引き上げてしまえばいい。負けた選手なら、ほとんど誰でもそうするだろう。

しかし、居たたまれない思いをこらえ、藤島はその場に踏みとどまったばかりか、キャディバッグからボールを掴み出し、満員の観衆に向けて次々と投げ入れた。

大雨の中、最後まで初優勝を信じて声援を送ってくださったみなさんへのせめてもの感謝の気持ちだ。

本人も、信じて疑わなかった。
「今週は、絶対に自分が勝つ」。強い気持ちのまま単独首位で迎えた最終日。
わずか数分の間に、リーダーがクルクルと入れ替わる。
もつれにもつれた大混戦も無我夢中で戦って、気がついたら自分がその渦中にいた。

右サイドの池の淵からカップまで、わずか6ヤードもない狭いエリアに第2打を乗せて、大歓声を浴びながら上った18番グリーン。
そびえたつ超巨大な電磁式スコアボードは、それまで確認できなかった自分の順位が嫌でも目に入る。

一つ前の組で先にホールアウトしたビジェガスと、並んで首位タイにつけていると分かったとたん、藤島は落ち着きを失った。
「あがってしまって、もう何がなんだか」。
初めての経験に浮き足立った。
カラーから1メートルもない絶好のバーディチャンスを外して臨んだプレーオフ。
2ホール目にビジェガスより近くにつけながら、先に6メートルのバーディパットを決められて、入れ返すことができなかった。

クラブハウスに帰ってきた藤島は、そのままロッカールームに飛び込んで、しばらく出て来なかった。
どうにか頭を冷やすのに、数分かかった。
報道陣の問いにも、いま戦い終えたばかりのプレー内容がほとんど思い出せない。
「絶対にバーディを取る、と自分に言い聞かせたけれど。バーディ取られて負けたのは、仕方ないと思えるけれど・・・」。
自己ベストの2位。
そして、賞金ランクはほぼ初シード確定の38位に急浮上したものの、悔しさはしばらくおさまらなかった。

藤島豊和ふじしまとよかず
1981年7月8日生まれ、熊本県天草郡出身。
姉は女子プロの妃呂子さん、弟・晴雄さん、末弟の征次さんも現在、プロ修行中のゴルフ一家。
豊和がゴルフを始めたのは中学2年。妃呂子さんと一緒に練習場に行ったのがきっかけだった。
アマ時代には、2002年の日本アマで東北福祉大の先輩・宮里優作と準決勝で直接対決。藤島が、宮里を3アンド2で倒して決勝戦にコマを進めて準優勝するなど、活躍した。
2004年にプロデビュー。今季は、ツアー出場優先順位を決めるファイナルQTでランク11位に入り2年連続の本格参戦。
初優勝は逃したものの、今回自己ベストの2位に賞金ランクは38位に急浮上。初シードに大きく前進した。

  • 悔しさをこらえ、ビジェガスと握手
  • そしてギャラリーにボールのプレゼント

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