Tournament article

JCBクラシック 2007

小山内護が8アンダーをマーク

今年から舞台を移した花の杜ゴルフクラブは、「逃げれば逃げるほどボギー、ダボを打つコース」と、小山内。「徹底的にピンを攻めること。そしたら、確実にチャンスにつく」。
その言葉どおり、初日2日目も絶好調のショットを武器に、攻めて攻めて攻めまくった。

しかし、パットが入らなかった。
特に1メートル前後の距離が入らない。
この2日間で「1メートル以内のバーディはゼロ」。
通算1アンダーの最下位でどうにか予選通過したものの、同じ組の原口鉄也に「マモさんは強い。僕なら、とっくに気が狂ってる」と、妙な感心をされたほどだった。
「あれだけ短いのが入らないと、イライラしちゃって僕なら耐えられない」と。

もともと、一番の課題がパッティングだった。
かつてはイップスに苦しんだ経験もあり、慣れているといえばそうだが、予選2日間はさすがの小山内にも堪えた。
悩んだあげく、谷口徹に風呂場で相談を持ちかけたのは前日2日目の終了後。

すると、昨年まで2年連続の平均パット賞受賞者はこともなげにこう言ったのだ。
「マモは考えすぎるからあかん。ストロークのことなんか考えるな。3パットを怖がるな。どっちにしろ入らない、そう思って決めたところに向かって打つ。それで入らなかったら、ラインが読めていないだけのこと。気楽にやれよ」。

「この谷口さんのマインドコントロールが効きました」と小山内は言った。
アドバイスどおり、この日3日目はグリーン上で、難しいことはいっさい考えなかった。
「ストロークのことなんか、考えなかった」。
スライスと決めたらスライス、フックならフック。
シンプルに徹したら、コースレコードが出た。

3番パー5で、残り290ヤードをスプーンで左6メートルに2オン成功。
このイーグルパットをねじ込んで、波に乗った。4番、10番で10メートル以上の長いバーディチャンスも入れた。
前日まで、あれほど悩んだ1メートル前後のパットも難なく決めることができた。
最終18番は、強烈なアゲンスト。第2打が200ヤードも残ってしまったが、5番アイアンでピン手前2メートルにピタリとつけた。

最後のパットもあっさりと沈め、この日トップスタートの選手がホールアウト時点でいきなりトップタイに踊り出て、「明日も、6アンダーくらい出せば面白くなる。…最下位から、いきなり優勝しちゃったりして?!」。

また今大会では今年から、3日目終了時点で上位20位タイまでの選手を対象にしたアグレッシブプレーヤー賞が設定された。
最終日に記録したバーディを2、イーグルを5、アルバトロスを10ポイントで換算し、合計ポイントがもっとも多い選手にJCBギフトカード200万円が贈られる。
「そっちも、ぜひ狙いたいね」。最終日こそ、豪快なゴルフで会場を盛り上げたい。

関連記事