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サン・クロレラ クラシック 2006

田村尚之(なおゆき)さんがアマチュアとしてただひとり予選通過、9位タイ

ここ小樽カントリー倶楽部のメンバーになったのは昨年秋のこと。「お世話になった方々への良い恩返しになります」と、42歳のサラリーマンが相好を崩した。

この日2日目は前半の5番でダブルボギーを打ちながら、地の利を生かして盛り返した。
平均飛距離は、265ヤード。
「僕は飛ばないほうだけど。今週はドライバーがそこそこ良いから、昨日から苦労してません」。
連日、吹き荒れる小樽の風を先読みして「今週は横風に流されないボールに変えたのも良かった」という。

通算1アンダーは、2004年のマンシングウェアオープンKSBカップ以来のツアーでの予選通過に「出来すぎ。このコースで上位にいるのは奇跡です」と謙虚に笑った。

父親の影響で、3歳からクラブを握ったが、プロになる気はこれまで一度も起こらなかったという。
小さいころから「虚弱体質」。
食が細く、高校時代は身長172センチに対して52キロしかない時期もあった。
中学時代に関西ジュニアで優勝したが、それでもプロへの意欲はわかなかった。
東京理科大学工学部に進学し、迷いもなく一流企業に就職をした。

転機は社会人3年目だ。
有給休暇を利用して出場した、広島県アマで優勝。
その権利で中国アマと、たて続けにエントリーしたのをきっかけに、競技人生は始まった。

数々の戦績をおさめ、日本オープンに17年連続で出場。
5年前には、よりゴルフに没頭できるようにと長年勤めてきた会社を転職した。
「試合のあと、食べられるものといえばそうめんとか・・・。食っては吐いて、を繰り返す体質」はトレーニングで克服。

今大会は、7月31日の月曜日に行われたアマチュア選考会を突破して出場を果たし、さらにツアー最長コースでの決勝進出も日々の努力のたまものだ。
“最年長”のナショナルチームメンバーは、「この予選通過が若手のメンバーへの良いゲキになればいい」と若々しい笑顔を浮かべた。

田村尚之(たむらなおゆき)
1964年6月24日生まれの42歳、広島県出身。賀茂カントリークラブ所属。
3歳からクラブを握り、関西ジュニアを制覇。
しかし、高校、東京理科大学時代は競技には出場せず、大手企業に就職。
社会人3年目に広島県アマ優勝をきっかけに再開。
以後、日本ミッドアマ2連覇(02、03年)、94年日本オープンローアマなど数々のタイトルを獲得。
日本ゴルフ協会のナショナルチームメンバー。
ベストスコアは賀茂カントリークラブでの62。
身長172センチ、体重65キロ。

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