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三井住友VISA太平洋マスターズ 2006

丸山大輔「帰れる場所があってこそ」

17番パー3。3番アイアンで打ったティショットはピンそば2メートル。最終18番は、残り225ヤードから3番アイアンでピン左3メートルにつけた。

「今日は最初からガンガン行こうと思っていた。最後まで、攻撃的に行けたのが良かった」。
上がりのバーディ、イーグルで通算9アンダー首位タイ浮上は「向こうの選手を、見てきたからだと思う」。
この1年間、米ツアーで揉まれてきたからこそだ。

どんな状況にあっても、ひたすら攻め続ける姿勢。
びっくりするような大量アンダーを、平然と出してくる。
そんな選手たちが、アメリカにはゾロゾロといる。

おかげで、チャレンジ精神が養われた。
と同時に、マイペースを貫く強さも。

海外に挑戦して、スランプに陥る日本人選手は多い。
驚異的な飛距離、巧妙な技。
スケールの大きなゴルフに圧倒されて、自分を見失ってしまう。

しかし、丸山はそれらをいっさいムシする方法で乗り切った。
「というか、差がありすぎると相手にもならない。逆に、諦めることが出来たから」。

たとえば、ドライビング王のバッバ・ワトソンやJ・B・ホームズ。
ティショットで軽く50ヤード以上は置いていかれる。
中堅クラスでも、30ヤード差。
「だからといって、自分も飛ばそうなんて間違っても思わない」。
かわりにパットでしぶとく入れたり、「地道に、自分のゴルフを心がけた」のだ。

3日目は世界ランク9位のセルヒオ・ガルシアとの最終組。
「でも全然、気にならない」と、丸山は言った。
今年さんざん、強豪を目の当たりにしてきたからだ。

特に緊張したのが、今季欧州ツアー賞金王のパドレイグ・ハリントンとホセ・マリア・オラサバルと回ったとき。「2人とも飛距離が出るし、ものすごく上手かった」。
そんな環境の中で、賞金ランク95位に入り、ルーキーイヤーにしてシード選手の仲間入り。
ひとまわり大きくなって帰ってきた丸山が、今週目指すはツアー通算2勝目だ。

昨年、フジサンケイクラシックの初優勝で得た日本ツアーのシード権は、来季一杯で適用が切れる。
「やっぱりアメリカで頑張れるのも、帰れる場所があってこそ」。
ここ御殿場で勝ってさらに1年間、出場権を延長できれば最高だ。

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