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ABC チャンピオンシップ 2006

この日64をマークしたドンファン史上最年少での初シード入りに・・・

夏も過ぎて、今季の獲得賞金が1500万円を超えたころだった。他の何人かの選手から言われた。「ひょっとしたら記録を塗り替えたかも。いちど、調べてみたら」。
気になって、さっそく選手のプロフィールが載ったツアーのガイドブックをめくってみた。

宮瀬博文が、史上最年少で初シード入りを果たしたのは1992年。
年齢を計算したら、21歳だった。

今年、初シード入りに当確ランプを灯したドンファンは現在19歳。
「自分が、新しい記録を作ったことが分かって嬉しかった」と、振り返る。

しかし本当に更新したい記録はほかにある。
スペインのセベ・バレステロスが77年の日本オープンで樹立した20歳と7ヶ月の史上最年少優勝を破ること。
パッティングが冴えに冴えたこの日最終日にボギーなしの8アンダーをマークしたら、その目標も現実味を帯びてくる。

「・・・でも、もしそれが達成できなくても構わないと、いまは思っているんです」と、ドンファンは言った。

記録にこだわるよりも大切なことは、今のうちにできるだけゴルフの腕を磨いておくことだと気付いたからだ。

「あと何年プレーが出来るかは分からないけれど、とにかく今は行けるだけ上に行っておきたい」。
その思いの裏には、母国・韓国で成年男子に義務付けられている2年間の兵役制度がある。

「ゴルフの調子が悪いから行く、なんてのは絶対にイヤだから。これからも出来るだけ上を目指して、調子がピークのときに堂々と兵役に就く。・・・それが今の僕の理想です」。

あどけない表情に、強い意志を秘めている。

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