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アンダーアーマーKBCオーガスタ 2006

ドンファン「目標は、ツアー最年少優勝です」

本名は、ドンファン・リー。昨年のファイナルQTでランク48位につけたのを機に、日本でのプロデビューを決めたとき、「みなさんに親しんでもらおう」と登録名をいまの“ドンファン”にした。

果たして狙いは当たった。
伝説上の人物にたとえて“色男”などといった意味もあるそれは、スコアボードに載るとインパクトは絶大だ。

「はじめはそんなに思ってなかったけれど・・・今では、みんなからプレイボーイとか言われるんです」と、頬を染める素顔はしかし、そんな形容とは程遠い。

日本に来て6ヶ月。
「今年3月から勉強を始めた」という覚えたての日本語で、訥々と語る表情にはまだ19歳のあどけなさが残っている。

「地味な色は、テンションが上がらないから」と派手な色を好んで着るが、その風貌と、実際の謙虚な物腰と、堅実なプレーぶりにはかなりギャップがあるかもしれない。

通算12アンダーの単独首位で迎える最終日に向けて、「プレッシャーはすでにあります。でもそれも勉強と思って、明日は一歩ずつ確実にプレーしたい」と、静かに語った。

しかしその一方で、熱い思いを秘めている。
目下の目標は「ツアーの最年少優勝」。
スペインのセベ・バレステロスが77年の日本オープンで樹立した20歳と7ヶ月の記録を破る。
そう宣言した言葉の裏にはもし偉業を達成すれば、韓国の成人男子が30歳までに義務づけられている兵役が、免除されるかもしれないという希望があるのだ。

果ては日本の賞金王。
そしてアメリカへという野望を抱くドンファンにとって、伸び盛りのこの時期は「ゴルフに専念したい」というのが偽らざる本音。
そのためにも「来年4月9日の誕生日までには・・・」という強い思いがあるのだ。

ドンファン・リー
1987年4月9日生まれ、韓国出身。身長178センチ、体重75キロ。日本ツアーでの選手登録名は「ドンファン」。
10歳のとき、ゴルフを始める。
2002年の韓国ジュニアと韓国アマ制覇。
韓国ナショナルチーム代表の資格で出場した2004年の日本アママッチプレーは決勝戦で伊藤涼太を破って頂点に立った。
日本の大学からの誘いもあったが、現在は韓国の高麗大学1年生。
試合のない日は母国に戻って、体育教育学科で学業に励む現役大学生だ。
ちなみに、卒業生には昨年の全米女子オープンを制したバーディ・キムがいる。
あこがれの選手は、日本ツアーで活躍中のS・K・ホだそうだ。

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