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〜全英への道〜 ミズノオープン 2006

S・K・ホが、ツアー通算6勝目

来年2月にパパになることが分かったのは、2週前のことだ。幸い、その週は新居のある兵庫県での開催で、新妻ソク・ヘイヨンさんのそばにいられた。
「でも、来週は欠場しよう」と一度は決めた。

大会初日の22日(木)は、ちょうどヘイヨンさんの誕生日とも重なる。昨年12月に結婚してから、初めての記念日。
まず家族を第一に考える夫は、妻の体調も気遣って「一緒にいよう」と考えたのだ。

しかし、そんなSKを送り出してくれたのはほかでもない妻だった。
会場に発つ前、そんな妻に手紙を書いた。
「初めての誕生日、一緒にいられなくてごめんなさい」。
それに対する妻の返事は「優勝カップを持って帰ってきてください」だった。

過去4回出場して、一度も予選通過したことがなかったのがこの『〜全英への道〜ミズノオープン』。
遮るものがない。海からの風の影響をもろに受けるのが会場のJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部だ。
目印となるものも、ほとんどない。そして、少しでも油断すれば待ち受ける丈高いラフ。

そんな苦手なコースで今年初めての予選通過を果たし、しかも、4日間で打ったボギーはわずかに4つ。「我慢して、なんとか1日ひとつにとどめることができた」。
その末に優勝まで果たせたのは、思い通りのコースマネジメントが出来たから、という理由だけではない。

「僕が頑張らないと大変なことになる・・・。家族が増えて、気持ちが変わった」。
一家の長としての自覚が、ツアー通算6勝目をもたらした。
そうしてつかんだ、4年連続4度目の全英切符だ。

初出場の2003年大会、2日目2位と大活躍した実績もある。
「これまでの3回でいろいろと勉強もしてきたから。4度目の今年は、もっと良い成績を出さないと」と、意気込む。

まずR&Aのジョン・クローショー氏から水野正人・大会実行委員長に託されて、それからようやくチャンピオンの手に渡った優勝カップは、全英オープンと同じ型のクラレット・ジャグ。

表彰式が終わって、さっそくヘイヨンさんに電話をかけた。
「プレゼントは、これでいいですか?」。
「ちょっと、足りないかも・・・」。
こうなったら来月7月、オリジナルのクラレット・ジャグを持って帰ってくるしかない。


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