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日本プロゴルフ選手権大会 2005

藤田寛之「今日のプレーを×4。最後まで、ブッち切りで行ければ」

昨年は、夏に急性腸炎にかかった。入院が必要、と言われたが強行軍。試合に出続けながら、なんとか回復をしたが、その直後に今度は、気管支炎にかかってしまった。その年開幕戦Vをあげて、幸先のよいスタートを切ったもの、結局、賞金ランクは17位。
立て続けの病に、秋の陣のほとんどを棒に振って、不本意な結果に終わった。

その悔しさから、今年のオフはトレーニングと打ち込みを強化。「完全休養は日曜日だけ」というハードな毎日で体を鍛え、技を磨いた。
「だから今年は、『自分はこれだけやってきた』という自信はある」。

しかし悩みどころは、実際に会場に来てプレーをするとそれが、“から元気”ならぬ「から自信」に終わってしまうことだ。

「もともと、あまり自分に自信が持てないタイプなんでね。びびってしまって、強い気持ちが持続しないんですよ」。
風やラフ、硬くて早いグリーン・・・。スコアを崩す要因にぶつかると、自信はあっけなく打ち砕かれてしまうのだ。

この日初日は、パットが好調だった。これまで、ハンドファーストに構えて「ボールをつぶすように打っていた」パッティング。「でも、その度合いが強すぎると、つかまりすぎて引っ掛けが多くなる」。
ハンドファーストの度合いを少なくして、練習量を増やした。
その成果が出た。

14番、6番で、いずれもエッジから8メートルのバーディパットを決めた。8番で左奥から8メートルをねじこんだ。15番の第2打で、丁寧に歩測したにもかかわらず「暗算ミス」。10ヤード、距離を間違えグリーンまで18ヤードもショートさせたが、このアプローチをサンドウェッジでチップインバーディ。
ピンチもうまくしのいで、ボギーなしの65。
「ロケットスタート」に、笑顔がこぼれる。

「今日のプレーが×(かける)4(日間)できればいいけれど。最後まで、ブッち切りで行ければ」。
“から自信”を確信に変えるには、この公式戦初制覇しかない。

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