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サントリーオープンゴルフトーナメント 2005

丸山大輔「先週の1勝だけでは終われない」

この日、アマプロチャリティゴルフのあとに行われた本戦開幕直前のインタビューで、報道陣から出席の要請を受けたのは、ディフェンデイングチャンピオンと、先週大会の優勝者だった。

昨年の今大会で8年ぶりの優勝をあげた加瀬秀樹(=写真左)と、先週のフジサンケイクラシックでプロ12年目の初優勝をあげた丸山大輔(=同右)は、師匠の中山徹をリーダーとする練習仲間でもある。
ホールアウト時間がちょうど重なったこともあり、2人一緒にインタビューの席につくことになった。

丸山にとって加瀬は尊敬する大先輩でもある。
やや居心地悪そうにしていた丸山を指しながら、加瀬が言った。
「こいつは、良い意味で物覚えが悪いからね〜」。

一緒に練習ラウンドしていても、ちっともホールバイホールを覚えていない。
昨年、大たたきしたホールもキャディに「去年ここで池に入れましたね」と、言われても「そうだったっけ??」。

「・・・大輔は、変に過去を引きずらないから、常に頭の中が新鮮でいられるんだ。これからも、それをプラスに働かせてくれればいいって思ってる」(加瀬)。

選手の1勝で、賞金ランクは一気に2位まで駆け上がった。
先週終了時点のランキング10位までの希望者上位3人には、年末に行われる米ツアーのファイナルQスクールの挑戦権が与えられる。
「心の準備が出来ていなかった」と戸惑いながらもとりあえず米東海岸時間の7日(水)、夕方5時までの締め切りに間に合うようにエントリーも済ませた。

「・・・それに賞金王、という可能性も出てきたからね」(加瀬)。

何度も悔しい思いを繰り返し、ようやくつかんだツアー初優勝で思いもよらない状況が次々と出てきた。
一夜で、取り巻く環境が一変したのだ。
いつまでも、余韻に浸っているヒマはない。

そういう意味でも、「記憶力の悪さ」を良いほうに利用しろ、という兄貴分の心遣いに本人も大きくうなづいた。
「先週のことはひとまず忘れて、今週はまたいちからのスタート。・・・先週の1勝だけで、終わるわけにはいかないですからね」。

丸山が未来を見据えて、堂々と総武に立つ。

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