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サントリーオープンゴルフトーナメント 2005

小山内護「そりゃあ、優勝のほうがいいに決まってる」

3番で、残り15ヤードの左バンカーからチップインバーディを奪って3連続。スコアボードを駆け上がった。10番のバーディで、はじめ8打差つけられていた首位の今野に一気に詰め寄って、「よ〜し!! 面白くさせてやれ!」。12番からもういちど3連続バーディを奪って通算11アンダー、首位タイでホールアウトだ。

5年間、悩み続けたパッティングは、グリーン上で「ビビって空振りしたこともある」ほど深刻だった。それも、今年7月から使い始めた中尺パターのおかげで「完全に復活した」。
グリップをやわらかく握って、パターを吊り下げるように構える。
ウソのように、悩みが晴れた。
パットの不安が消えたら、ショットでも無理をしなくなった。
「とにかく、真ん中に乗せておけば大丈夫、と思えるから。“しっちゃかめっちゃか”に振らなくなった」。
この日も5番パー4で第2打を丁寧に真ん中に乗せて、7メートルのバーディチャンスをねじこんでいる。
2000年と、昨年のドライビング王。
今年も、快調に飛ばしている。
小山内が予選通過した週は、他の飛ばし屋から溜め息がこぼれる。
「マモ(小山内の愛称)が予選を通ったら、98%(ドライビング1位は)諦めざるをえない」と、言われるほどだ。

「だから、最近は自分でも『取んなくちゃいけない』みたいな変なプレッシャーがあって。計測ホールでは、気合が入っちゃったりして。それより、スコアを大事にしないといけないのにね!」。
そういって笑える余裕もやはり、パッティングが復調した効果だという。

大会によっては指定ホールにドライビングディスタンス賞がかかっているが、今年はほとんど総ナメ状態。現在は2位と平均約4ヤード差をつけてランクトップを走る。
今年の年末も、2年連続の飛距離日本一で表彰されるのはほぼ間違いないだろう。

しかし、本当に欲しいものは別にある。
「・・・そりゃあ、優勝のほうがいいに決まってる」。
1998年に、ツアー初優勝をあげたのが今大会。思い出の総武で、2つ目のトロフィーを手に入れたい。

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