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アンダーアーマーKBCオーガスタゴルフトーナメント 2005

伊藤涼太くんは史上最年でのトップ10入り6位タイ

そのプレーぶりに、誰もが絶句した。15歳の伸び盛りは、それこそ1打ごとにグングンと力をつけていくようだった。
6番パー5で、グリーン奥からのアプローチをピタリとつけてこの日最初のバーディを奪うと、次の7番で残り120ヤードの第2打を、ピッチングウェッジで2メートルにつけて2連続。

9番では、左バンカーから右手前バンカーへと渡り歩いた第3打をOK距離につけてしのいで見せた。
11番で2メートル、13番は30ヤードのアプローチをしっかりと寄せて、続く14番でギャラリーのどよめきはピークに達した。
そのとき、スコアボードを見たプロたちが唖然とした。

「僕がちょうどホールアウトしたときだったんですが、涼太くんの名前が2番目にあって。びっくりして一瞬、目を疑ってしまいました」(佐藤信人)。

残り80ヤードの第2打をサンドウェッジで2メートルにつけて通算13アンダーは、2位タイ浮上。
だがその直後の15番で、ティショットを大きく曲げて隣の16番グリーンへ打ち込んだ。
第2打は16番のフェアウェーに出すだけという大トラブルも、3打目にどうにか15番のグリーンそばまで運んでボギーでおさめた。
ピンチのときの冷静な判断力も大したものだが、続く16番でもボギーを打ったことで、本人からは反省の言葉ばかりが口をついて出た。

「15番で少し気を抜いてしまったかも・・・残念です。プロなら、上がり3ホールがしっかりしている。上がり3ホールで強くないと、勝てないのに・・・」。
ベスト5が目標だった。あわよくば、優勝も視野に入れて戦った。
「チャンスはあったと思うけれど、悔しいですね。首位と9打差、これがプロとアマの差なのかな・・・」。
通算11アンダー6位タイは史上最年少でのトップ10入り(※)だが、本人は無邪気に喜べない。
「いつか一流になるために、もっともっと頑張って経験を積まないと・・・」。
課題を持って、次週のフジサンケイクラシックに挑む。

※ツアーの最年少優勝記録は、外国人選手なら20歳と7ヶ月で1977年の日本オープンを制したセベ・バレステロス。日本人選手なら1976年、22歳と4日でゴルフダイジェストトーナメントを制した中嶋常幸。



  • 3試合連続のローウェストアマチュア賞を受けて、「いつか同じ組で回りたい選手」の伊沢と記念撮影。

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