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アイフルカップゴルフトーナメント 2005

丸山大輔「まだまだ、僕は甘いと分かった」

この日初日は、日中気温30℃を超える暑さ。地面から立ちのぼる熱気に、選手たちの体感気温は35℃を優に上回っていたかもしれない。
全身汗まみれでホールアウトしてきた丸山もあまりの暑さに、すぐにプレーの内容が思い出せないほどだった。

朦朧とした意識の中で、懸命に振り返った8バーディ1ボギーの内容は、パッティングが冴えに冴えた。

ショートアイアンも好調で、次々とピンに絡めて、チャンスを奪った。
最終18番パー4では左ラフからピッチングウェッジでピン奥2.5メートルにつけて、これを沈めてバーディフィニッシュ。
7アンダー単独首位の好スタートを切った。

初優勝にもっとも近い男、と言われ出して久しいが、本人に焦りはない。
今年、これまで13試合中6人が初優勝者だが「みんな、凄いな〜」と思う程度で、それを羨む気持ちはない。

・・・というか正確には、羨む気持ちを捨てたといったほうがいいかもしれない。「なぜ、勝てないんだろう」と、悩んだ時期もあったが、いまはじっくり待つ気持ちでいる。

そんな心境になれたのは、女子プロの表純子選手の記事を読んでからだ。

7月のシャトレーゼクイーンズカップで初優勝をあげた表選手は、それまで11回も2位を経験していたのだ。
振り返って「俺はいったい何回2位があるんだろう」データを調べてみたら、表選手には遠く及ばなかった。
「僕の2位はまだ、3回しかなかったんです。それで、『僕はまだまだ甘い。もっともっと、悔しい思いをしろってことだ』と、思うようになったんですよ」。

今週の好スタートにも落ち着き払ったもの。
表選手の初優勝を励みに、丸山も結果ばかりを望むより、「いま目の前のことに集中しよう」と決意を新たにしたからこそだ。

2位の数が多いということは、それだけ安定した実力があるというあかしでもある。
表選手は、その翌週も勝って2週連続Vを飾っている。丸山のような選手も、いちど勝ち方を知ったら弾みがつくはずだ。

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