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三井住友VISA太平洋マスターズ 2004

川原希「彼も人間。何が起きる分からないから」

ダレン・クラークと、リー・ウェストウッド。2人の招待選手との翌最終日の最終組に、プレッシャーどころか、目を輝かせて川原は言った。
「素晴らしい組み合わせ。幸せですよ、こんな豪華なところで回れるなんて!」。

世界ランカーとのラウンドは、意外と慣れっこだ。まだ、シード入りする前に挑戦したアジアンツアーで、スティーブ・エルキントンとまわった経験がある。
昨シーズンのサントリーオープンでは、最終日にフィル・ミケルソンとのプレー。前日、ペアリングが発表されるなりガッツポーズで「やったよ!最高」と、興奮気味に大喜びしていたものだ。

ただしそれらはいずれも、優勝争いからは遠く離れた気楽な位置でのラウンドだった。
今回は、クラークの独走を阻止する最右翼として、期待される立場での対戦となるが、川原に、気負いはない。
「負けないように、頑張りますよ!」。力強いコメントも飛び出した。

そう言えるだけの材料もある。
今週、アイアンショットが絶好調。特に初日は、「ピンにしか行かない」。ミスした、と思ったショットでも、5メートル前後のバーディチャンスにつくほどだ。
最近は、上位争いに食い込むたびに力が入りすぎて、「バーディをとってもすぐボギーを打っていた」が、今週は、バーディを取った次のホールこそ冷静に、パーセーブを心がけている。

この日3日目も、バーディを奪った次の7番で、4メートルのパーパットを決めた。17番では4メートルのパーパット。「これが、大きかった」。クラークとの差をどうにか4つにとどめて、迎える最終日。
「相手が相手だけれど、彼も人間。何が起きるか、わからないから」。
北アイルランドの英雄に、最後まで諦めないで、食らいついていく。

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