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日本オープンゴルフ選手権競技 2003

“シード選手”として初めて望む日本オープンで、丸山大輔が2位タイ浮上

これまでは、今大会の本戦進出をかけた地区オープンや、予選会からの出場だった。
初めて、ジャパンゴルフツアーのシード選手として挑む今年。この日2日目のベスト スコアタイの68に は、自ら成長のあとを、実感している。

特に、グリーンまわりのアプローチ。その中でもバンカーショットは、「昔は、プロ の中で一番、へた くそだと思っていた」。

しかしこの日2日目の前半13番では、手前のガードバンカーから、2メートルにつけて バーディ。
「いまは、バンカーに入れてもなんとかパー以上でいけるかな」と、思える心の余裕 もあるのだ。

シード1年目の今シーズン、トッププレーヤーとまわる機会がグン、と増えた。練習 ラウンドのメンバ ーも、室田淳や加瀬秀樹、宮瀬博文などシード選手の常連たちだ。彼らと一緒にま わっていて、一番、 勉強になる点はその練習法だ。本戦のピン位置を想定したアプローチ練習や、グリー ンを外したときの 対処法など。場面を想定した練習を、何度も繰り返す。「それって、けして特別なこ とをしているわけ じゃない。みんなにはあたりまえのことだったんだと思います。でも、そのあたりま えのことさえ、前 の僕には出来てなかった。適当に、練習ラウンドやっていた気がします。・・・という か、どうやって練 習すればいいのかさえ、前は分からなかったんですよね」。

“先輩”たちの練習をじっと観察しているうちに、丸山もコツがつかめてきた。見 習って、今シーズン はグリーンまわりのアプローチ練習に、いちばん時間を割くようにした。

そのおかげで、この日の難しいピン位置にも、思い切ってピンサイドに打っていく勇 気がもてた。
「今日はグリーン真中に逃げたほうが、3パットもあるかなあ、と」。攻めた結果、 たとえグリーンを 外しても、それをしっかりチャンスに変える。後半の4番では、グリーン奥からの チップインバーディ 。ここ日光カンツリー倶楽部の鬼門と言われるインコースの最初の3ホール、10、11 番でも連続バーデ ィを奪うなど、通算4アンダー2位タイ浮上。大会にも、タイプ的に向いている。もともと、バーディ合戦よりも、嵐や大雨、深い ラフや狭いフェアウェーなど難しいコンディション、セッティングのほうが得意だか らだ。「普通にやっていれば、いつの間にいける上にいけるような気がするから」と 話す顔に自信がみなぎる。
今年再三、逃していた初優勝のチャンス。それがこの日本オープンという大舞台なら 「それはそれで、 すごいことだけど・・・」と、誰ともなくつぶやいた。

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