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サントリーオープンゴルフトーナメント 2003

サントリーオープン2003 1日目シード権復活をかけた河村雅之が、2位と2打差の単独首位発進

インタビュールームの椅子につくなり、大はしゃぎだ。「うわ〜なんかここに座る のって久しぶりだあ!」。報道陣からの「ナイスプレー」の声には「あ〜りがと お〜。ほんっと、嬉しいんだっ」弾む声とこぼれ落ちそうな笑みで喜びを表現した。

うっそうとした松林にセパレートされたコースは、総距離7.155ヤードのパー71と長 い上に、場所によっては200ミリ以上伸びた深いラフ。例年にもまして難しいセッ ティングに苦労する選手が多い中、スタートの10番ホールから快調にスコアを伸ばし た。

10番のパー5で3打目を1メートルにつけてバーディ。12番、14番で3メートル、16番で 1メートル。17番で8メートルを沈めた。今年の前半戦では「いったい、どうやって 打ったらいいのかさえもわからない」というほどパッティングに悩んでいたのがウソ のよう。

次々とチャンスをものにすることができた要因は「キャディさんの言うことを、素直 に聞くこと」だった。総武カントリークラブのベテランハウスキャディの「常に強気 なグリーンの読み」が、好アシストをしてくれている。「・・・でも、そのキャディさ んの言うとおりに打てた僕もすごいんだけど!!」あとで自画自賛も、忘れなかっ た。

ショットも好調だ。この日は、フェアウェーを外してもほとんどがセミラフどまり で、まったく問題なくグリーンを狙うことができた。不安を感じたホールでは、いま もっとも「好調なクラブ」というスプーンで刻み、たとえ深いラフに打ち込んでも 「日本オープンの感覚でやっていますから」。日本一難しいといわれる公式戦をイ メージして無理をせず、いったんフェアウェーに出して100ヤードから確実に寄せる 作戦を貫いて65。2位と2打差の単独首位発進に「こんなスコア出したのは何年ぶりか なあ・・・」とホールアウト後もしみじみと好スコアの余韻にひたった河村。

99年以来、勝ち星に見放され、昨年はシード落ちの苦しみも味わった。シード奪回を 目指す今年は、これまで約850万円稼いで賞金ランク61位。シード権復活には出場権 のある今週が正念場だ。「ちょっとがんばらないと、という時。今日のスコアで ちょっと自信が出てきました」復活の予兆にがぜん、やる気だ。
※河村の今季自己ベストスコアの65は、2002年のつるやオープン2ラウンド以来、首 位は2001年のつるやオープン3ラウンド以来

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