Tournament article

ジョージア東海クラシック 2002

「川原君との、経験の差」

肉食動物さながらに、未勝利の川原を追い込んだ谷口徹の18ホール

フロント9は首位スタートの川原と、バーディの応酬戦。マッチレースの戦法は、心得ていた。
たとえ先に奪われようとも、間髪いれずに取り返す。
懸命に逃げる川原に、ピタリと平走して離れない。
「逆に僕もされたら嫌だと思う、相手のミスを呼ぶゴルフです」
そのさまは、まるで獲物を見つけた肉食動物さながらだった。
8番ボギーで、川原に再び単独首位の座を奪われても、
「僕に比べて相手には、経験が少ない。川原君には、リードした時の、バック9のゴルフがわからない。いずれ必ずつけいるチャンスが来る」
と、言い切る余裕。
強気のゴルフで、ジワリ、ジワリと追い詰める。

そしてその瞬間は、ついに後半の11番でやってきた。
ティショットで力んだ川原が、左ラフの木の根元に打ち込むミス。焦りから、トリプルボギーを打ち、和製タイガーの前に屈した。
「最後は絶対に自分が勝つ…と信じて、やっていたから」
あとは、“優勝”という二文字をしっかりと咥え、一気に、ゴールに駆け込むだけでよかった。

今週は、「ひょっとしたら、来週の日本オープンより難しかったかもしれない」と振り返る難しいセッティング。
そこでただひとりの2ケタアンダーをマークして、
「嬉しいですね。こういう試合で勝てば、次から闘う相手に、“イヤだな”と思わせられる。僕らには、そういう印象づけが、闘う上で非常に大事ですから」。
OK距離のウィニングパットを沈めると、落ち着き払って、今季4度目の勝利のポーズだ。

関連記事