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日本オープンゴルフ選手権競技 2002

「もし勝てば、この優勝は価値ある1勝」

4位の今野康晴

遡ること8年前。
三重県・四日市CCで行われた日本オープン。
当時、日大3年生でアマチュアとして出場した今野は、初日、2日目を、ジャンボ尾崎との組み合わせだった。
「ジャンボさんは、初日からぶっちぎって勝った。僕はといえば、予選落ち。すごく緊張して、落ち着いてまわれなかったから」と、あのころを、振り返った。

今週も、予選2日間はジャンボとのペアリングだった。
この夏2週連続Vを果たして、ツアー通算4勝。
シード選手としての貫禄もついてきて、今では冷静に、ラウンドできる。
しかも、今回は、そのジャンボと並び、9位タイで予選通過。
そして、この日3日目は、首位と2打差の4位タイだ。
14番でグリーン奥のラフに外して1打で乗せきれず、1メートルもないボギーパットを外したのは痛いが、それまでは、5バーディノーボギーで回り、一時は首位に追いつく展開だった。
「あのころを思うと、僕もちょっとは成長したかなあ、と思いますね」と、胸を張った。

「今年、もうひとつ勝てれば、その1勝は、自分にとってとても価値のあるものになる」と今野は考えている。
シーズンも終盤を迎え、連戦続きで疲れを見せ始める選手が多いこの時期、「ここでトップに立てる選手は、本当に実力がある人」と思っているからだ。
実際、今野も9月に入ってから、疲れからか、踵をいためたり、練習に身が入らない時期があった。
それもようやく回復して本格的な打ち込みを始めたのは先週のこと。
ビッグゲームが続く終盤戦にむけ、体調も気力も整い、再び、戦闘モードに入りつつある。

「秋の試合で狙って勝てる人って、すごいと思うんですよ。実際に、この近辺の試合の過去のチャンピオンを見みたら、ビッグネームばかりが揃っているでしょう? …その中に、自分も置けたらなあ、って」

そんな価値ある5勝目が、この伝統のオープン戦なら、なおさらだ。
「日本オープンは、ポっと出て、ポッと勝てる試合じゃない。この大会のタイトルの重みは、ずっと感じてきました」という今野。「これに勝てたら、きっとすごく自信になると思いますね」
普段は穏やかな目が、このときばかりは、キラリと光った。

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