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日本プロゴルフマッチプレー選手権プロミス杯 2001

夢めがけ、狙って取ったタイトル

 この優勝で、ウィルソンの夢は、さらに膨らんだ。
 V賞金3000万円を加えて、賞金ランク1位に。これによって、数々の挑戦権を手に入れた。
 まずは、米ツアー最終予選会への挑戦切符。
 次週のサントリーオープン終了時点で、ランク10位内の希望者上位3人に与えられるものだ。
 「将来は、米ツアーで戦いたい」と目標を掲げるウィルソンは、7回目の挑戦で、初の突破を目指している。

 また、今大会終了時点で、賞金ランク3位の選手には、9月のWGC『アメリカンエキスプレス選手権』への出場権がある。
 今年、6月の全米オープンには、予選会から出場して30位。「強豪たちとプレーをしても、僕とさほど力の差はない、と感じた。やっていける自信がついた」と話すウィルソンは、世界進出をかけ、勝負を挑むつもりだ。

 そして、日本の賞金王の可能性も出てきた。
 優勝賞金100万ドル(約1億1000万円)のアメリカンエキスプレス選手権での獲得賞金は、シーズン終了時点で、日本ツアーの賞金ランクに加算される。
 マスターズ4位の伊沢、全米プロ4位の片山、WGCアクセンチュアマッチプレーで3位の谷口徹とライバルは多いが、「僕もこの大会で稼いで、ぜひ、賞金王というものを経験してみたい」

 実は、ウィルソンには、今週の米ツアー、エアカナダ選手権への出場権があった。米ブリガムヤング大学時代の同期、マイク・ウィアーが、米ツアー志向の強いウィルソンのために、大会への推薦出場を働きかけてくれていたからだ。
 だが、それを断ってニドムの森にやってきた。
 すべては、ウィルソンの計画のうちだった。

 「今週に、賭けていたからね」
 明確な目標を描き、狙って取ったタイトル。
 夢に向かって突き進むそのパワーで、世界の壁も突き破っていってほしい。

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