Tournament article

日本プロゴルフ選手権大会 2000

PGAインストラクター選手権初代チャンピオン・守屋克彦さん

守屋さん(写真左)は、同組の尾崎直道、倉本昌弘のプレーを目のあたりにして、「なんだかゴルフが簡単そう」と感心するばかりだった。
本番までにコースを3度も下見した。生い茂るラフ。激しくうねり、しかも、狭く設定されたフェアウェー。タフなコースの落としどころは、3日の間に、完璧に頭に入れたはずだった。練習では、フェアウェーを捉えていくことも、たやすく感じられた。

しかし、「本番では、ショットが意に反したほうばかり飛んで行った。ラフに入って、ボギーでもいいや、とウェッジで出しているのに、それがトンでもない方向へ行く…後半から、ボギーが止まらなくなった」。7ボギー、3ダブルボギーの13オーバー。PGAインストラクター選手権・初代チャンピオンの守屋克彦さんは、結局、バーディがひとつも取れなかった。

  「練習ラウンドとは天候も風も違った。思うようにプレーできなかった。ラフに入れたくない、と思うほど曲がって、叩きたくない、と思うほどボギーが出た。…つらかった」(守屋さん)。

 この日は、尾崎直道、倉本昌弘とのラウンド。「初出場で、こんなビッグネームとのラウンドだったけど、倉本さんとは昨日の晩、お話しをして、『遠慮しないで思いきってやればいい』と言っていただいていたので、気持ち的には楽でした。ただ…2 人とも、こんな難しいコースで、何事もないようにプレーしているように見えた。それがすごいと思いました。2人を見ていたら、ゴルフが簡単そうに感じられるからフシギだった」。経験の差だ。守屋さん自身も、それは十分に承知している。
プロのインストラクターとして活躍するかたわら、いずれはツアープレーヤーとして活躍することを夢みている。この日、7位に立った清家一生とは、研修生時代からの友人。先にプロテストに合格している清家が、最後18番をイーグルであがったことを知ると、「そうなんですか…やるなあいつも…」と、つぶやいた。その表情には、「いずれは、必ず追いついて見せる」というライバル心が、剥き出しになっているようだった。

関連記事