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ファンケルオープンin沖縄 2000

▼ 賞金レースの主役たち「相手を見ても仕方ない」

賞金ランクトップの谷口徹

 谷口が会場入りしたのは前日水曜日の夜11時ごろ。
 初挑戦だった米ツアー出場予選会から帰国後、すぐに飛行機を乗り継いでの強行軍だった。
 「でも、賞金王を意識したからじゃないんです」と谷口は言う。

 「賞金王にこだわってたら、アメリカなんか受けにいかないですよ。今週、出場を決めたのは、もし賞金王になれたとき、その瞬間にその場にいたいと思ったから。電話連絡なんかで『決まったよ』と聞くのもなんだか失礼だと思ったし、何より、僕が来たほうが大会が盛り上がっていいだろう、と判断したからなんです」

 もちろん、この日初日はぶっつけ本番でのラウンドだ。前日のうちに、キャディに下見をさせていたとはいえ、ここパームヒルズGRのグリーンは、目が強くアンジュレーションもきつい。「しかも硬くて速い」と選手たちから泣きが入るほどの難グリーンだ。
 「やっぱりいきなり対応するのは難しかったです。知らないコースでぶっつけ本番はそうそう、うまくいかないですね」と、6番、15番でダブルボギーを叩くなど苦しんで、イーブンパーの22位タイ。
 66をマークして首位発進した片山に対し、遅れを取ったかっこうだが、谷口は「相手を見る必要はない」とあくまで、冷静な態度は崩さない。

 「それに、まだ初日。始まったばっかりなんです。現状では、むこうのほうが体調もコンディションもいいに決まっているしね。今日は僕は練習ラウンドみたいなものだし、日増しに調子は良くなっていくはずだから。
 でも、このまま片山君が勝っても、それはそれで構わない。晋呉が頑張ったな、というだけのことだから」

 最終日に笑うのは、果して―。

※谷口徹の米ツアーQスクール結果は、88位で予選通過ならず。「あれで自信を失った部分もある」としながらも「最近、失敗することがなかったから良い経験。失敗がなければ、成長もないですから」とプラスに受けとめている。

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