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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2000

今年のコースセッティング

鈴木規夫エグゼクティブディレクター

 「ラフが刈れてしまうこの時期のコースセッティングは、やはり、グリーンの仕上り具合によって、ゲームが左右されてきます。
 今年の東京よみうりCCのグリーンは例年どおり、かなり高速に仕上っています。
 スティンプ(速さ)、コンパクション(硬さ)ともに12。ですが、実際にプレーする選手たちにとっては、気温の低下や風の影響で、この12という数値以上に、速く硬いグリーンに感じられるはず。さらに毎日のピン位置によって、スコアは大きく左右されることでしょう。

 今大会では、もともとパー5の4番、11番を、パー4に変更してパー70に設定しています。これはこの時期、両ホールがフォローの風になるための措置ですが、これによって、4番、11番は距離の長いパー4に。また、448ヤードの9番パー4は、この時期アゲンストの風が吹きますので、4番、11番と同様に、長く苦しいパー4となります。
 この3つの難関パー4で、いかにパーセーブできるか。また、数少ないパー5(アウト、インとも1ホールずつ)で、いかにバーディを奪えるか―。そこに勝負の分かれ目が隠されています。
 そして、よみうり名物の18番、224ヤードのパー3。ロングアイアン、選手によってはウッドを握るこの最後の難関を、確実にパーセーブできる選手に、勝利の女神は微笑みかけます。

 ここ東京よみうりCCは、もともと洋芝のティフトンだったのを、高麗芝に張り替えているのですが、それでも、若干ティフトン芝が残っている箇所があります。ほんの数センチでも高麗の隙間に残っていたティフトンは、そこから、またグングン成長していく力を持っているからです。
 その、わずかに残ったティフトン芝のところに、運悪くボールが止まったときが厄介です。
 ティフトンと高麗では、スピンの仕方、球の出方が違ってきますから、選手は、状況に応じた処置の仕方を要求されるからです。ティフトン芝から、速く硬いグリーンに、いかにボールを止められるか。選手の技量が問われるところです」

★ 鈴木規夫プロフィール
 1970年代から80年代にかけて、ショットの歯切れの良さと、勝負強さを武器に、ツアー界で大暴れ。76年には予選会から全英オープンに勝ちあがり、本戦ではなんと初日トップに立って世界中に『スズキ』の名を売った。 79年、80年には太平洋クラブマスターズで連続優勝。80年には、賞金ランク2位にも入った。大分県別府市在住。かつては“九州の若鷹”と呼ばれ、恐れられた。 現在は、JGTOエグゼクティブディレクターとして奮闘中の49歳。

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