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カシオワールドオープン 2000

▼ トピックス 「僕も何か、デカイ目標を持つべきだと思った」

ホールアウト後、同組の横田真一(右)に「ナイスプレー」と声をかけられる桑原。98年の日本プロマッチプレー以来のVにむけ、好発進。
桑原克典の意識改革

 ホールアウトしてきた桑原克典が、先週までの賞金ランク表を見ながらつぶやいた。
 「ベスト10に入ってるのは、9位のジャンボさん以外、みんな、20〜30代前半の選手なんですよね…」
 現在、桑原のランクは26位。遅れを取っている格好だ。

 2週間ほど前、桑原はこの件について自己分析してみたそうだ。
 すると、こんな結論が出た。
 「僕は、彼らより目標設定が低すぎる。だから、ビッグスコアが出ないんだ…」

 たとえばランクトップの谷口徹。今週末、米ツアーテストのQスクール受験のため旅立つ。

 「谷口さんは仲良くて普段からいろいろ話すんですけど、彼は今年の初めから“来年は海外に行く”と宣言していた。そして、最近じゃあ『来年は、日本ツアーに出られないからなあ』とか、言ってたんですよ。まだテストも受けてないうちから、『行く』と決めてるんです。思い描いているものが、すごく大きいんです」

 ほかにも、片山、田中、深堀、横尾…。トップ10に入っているほとんどの顔ぶれが、世界に目を向けて、頑張っていた。
 桑原にも、もちろん、目指しているものはあるはずだった。しかし、今年ツアー参戦 8年目。いつのまにか「このくらいで、まあ、いいかな…」目標設定が低くなっていた。
 それこそが、今季、プレーがスコアにつながらない原因だと気がついたのだ。
 「(住友VISA)太平洋(マスターズ)のころに、もう一度、目標の立て直しを図りました。今年のツアーももうすぐ終わりだけれど、まだ間に合うと思って…。
 海外進出も、もちろんそうだし、当面の目標としては(今週終了時点で賞金ランク20 位の者が出られる)来週の日本シリーズ。これにむけて頑張ってみようかな、って」

 明確な目標が、この日のプレーに生きた。
 次々にショットはピンに絡み、パットもラインに乗った。12番パー3は10メートルのパーセービングパットを沈めるなど、「何を考えなくても、すべてがうまく行く感じ。プレッシャーのないのも良かった。こういうラウンドは久しぶりです」。
 今週の好結果で、仲間たちに追いつきたいところだ。

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