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ダイドードリンコ静岡オープン 2000

エグゼクティブディレクター・鈴木規夫の「大会みどころ」

 今年度も引き続き、日本ゴルフツアー機構のエグゼクティブディレクターを務めさせていただきます、鈴木規夫です。今年もどうぞ、宜しくお願いいたします。

 さて、開幕第2戦です。今大会のダイドードリンコ静岡オープン、そして前週の東建コーポレーションはともに、今年一年を占うという意味で、重要な位置付けができる大会といえるでしょう。

 この2戦でベスト10入りした選手は、今後一年、注目に値する選手だと思っていいのでは、と思います。

 開幕を迎えるにあたり選手誰しもが、気持ちいいスタートを切りたいと、会場入りしてきます。オフのあいだの体作り・スイングの立てなおしなど、スケジュールどおりきっちりと間に合わせてきた選手や、あと少しで完成というときに不本意ながらオープン戦を迎えてしまった選手などなど、それぞれに、期待と不安を抱えながら戦うこの2戦は、そんな彼らのひきこもごもの表情が垣間見られるはずです。

 今年は、今大会のあと4月のつるやオープンまで日程があきますので、この2戦で結果が出せなかった選手は、自らの未完成さを反省し、「つるやオープン」を自身の開幕戦と位置付けて、この3週間の間に必死になって、出なおしをはかってくることと思います。

 お客さまには、そういった、コースで戦っている以外での選手たちの苦悩や努力も想像しながらご観戦いやだくと、なおいっそう、興趣が増すのでは、と思うのです。

 さて、舞台の「静岡カントリー浜岡コース」でございますが、このコースの名物は、なんといっても遠州灘の海岸線から吹き上げてくる浜風と、コースをセパレートしている松林でしょう。2つが相乗効果となって、戦略性をよりいっそう高めます。勝負の要は、いかに、この2つとうまくつきあうかにかかっているといえます。

 たとえば、日によってはもろに地面を低く吹きつけてくる容赦のない強い浜風は、ショットだけでなく、パッテイングにも影響してきます。風が、人の力を超えた、超高速グリーンを作ります。人間が手を加えたコンディション以上に、自然の脅威が随所にあららわれるところに、戦局の読めない面白さが生まるのが、このコースの大きな特徴なのです。

 今年は、コースのほうで通常営業用としてカートを導入され、その工事による修理地が若干残っている箇所がありますが、それを除けばグリーン、フェアウェーともまずまずのしあがりを見せています。

 キーホールは、16番ロング、17番ショート、18番ミドルの3ホール。 16番は、バーディ、うまくいけばイーグル狙いのチャンスホール。ここでしっかり取れなければ、続く2ホールはピンチホールです。過去のデータからもわかるとおり、この2ホールはパーブレイク率がかなり低い。特に18番の第2打地点は、左足さがりのライで、2オンにてこずる選手が多いはずです。トップで18番を迎えても、最後のカップインの瞬間まで、気が抜けないでしょう。

 ダイドードリンコ静岡オープンは、人間VS自然の戦い。最後の72ホール目まで勝負を投げ出さず、集中力を持続できた選手が、ついにはカップを手にすることができるのです。  

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