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ゴルフ日本シリーズJTカップ 1999

「日本シリーズに出ることが夢だった」

今大会の出場資格は、昨年大会から1年間のチャンピオンと、先週のカシオワールドオープン終了時の今季賞金ランキングのトップ20に限られている。
つまり、今年の日本ツアーを騒がせた選手たちが一同に介すのがこの大会。ゴルフ日本シリーズに出られること、それは選手にとって大変な栄誉なのだ。
若手選手のなかには、「この試合に出ることが夢」と語り、当面の目標に掲げるものも多い。
今年、その『夢』を実現した選手に、米山剛や手嶋多一、今野康晴らがいる。

中でも米山は、今年5月の三菱自動車トーナメントでプロ13年目にしてようやく念願の初優勝をあげると、8月の久光製薬KBCオーガスタで2勝目、そして先週のカシオワールドオープンで3勝目と、1年のうちに次々と勝ち星を重ねての初出場となる。
「初めてなのでどんな雰囲気かもわからない。とりあえず、頑張るだけ」と、米山は初舞台に胸を膨らませる。

また、米山には、初の“賞金王”というさらなる『夢』も出てきた。
現在、賞金ランクは3位(日本ツアー終了後に加算される海外ツアーでの獲得賞金を含む1億572万2033円)で、首位の尾崎直道(1億3344万1796円)との差は2771万 9763円。今大会で勝てば、優勝賞金3000万円が入る。ビッグチャンスの到来だ。 もっとも本人は、無欲を強調。
「賞金王…まさかそんな大それたことは考えられません。もちろん、プロになったからには誰でも考える夢ですが、ボクにとっては夢のまた夢です。…なれたら幸せだな〜くらいは思うけど」と、笑う。
今年の7月に挑戦した全英オープン(カーヌスティ)では堂々の15位に入った。
青木功に請われて出場した10月のダンヒルカップ(英・セントアンドリュース)では、世界で活躍する選手たちの、技やメンタルを存分に学び取り帰ってきた。
「今のボクの実力なんかまだまだ…」と謙遜するが、その実力は、今年の活躍を見れば明らかだ。今週の米山から目が離せない。  

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