Tournament article

バンテリン東海クラシック 2025

出水田大二郎が首位発進。妖怪握りで難攻不落を攻め落とす

グリーン上の試行錯誤が実りつつある。
プロ15年目の出水田大二郎(いずみだ・だいじろう)が、5アンダーの「66」をマーク。

小斉平優和(こさいひら・ゆうわ)と並んで首位発進した。

難しい三好でボギーは魔のパー3と誰もが畏れる16番ホールだけ。左の崖を恐れてティショットが右の傾斜のほうに行ったが、最小限の被害でとどめることができた。

今週キャディの有馬境佑さんは、ジュニア期に地元鹿児島で、横峯さくらさんのお父さんが開いた教室「めだかクラブ」で共に学んだ幼なじみだ。



「いまパットで悩んでいる」と、出水田が打ち明けると、有馬さんが教えてくれたのが、「昔やっていてめちゃくちゃ入った」という、一風変わったグリップ。

右手の力を抜いて、親指と人差し指の間にグリップを挟み、左手で支えながらストロークする。

昭和の人気アニメ「妖怪人間ベム」に出てくるキャラクターのキメポーズに似ていることから、当時「ベラ・グリップ」と呼ぶ人もいたという特異な握りで効果を実感。

「僕はいつも右手が邪魔しちゃって、インパクトでパンチ入ったり。ロングパットで距離感合わないことが多いんですけど、きょうはめちゃくちゃフィーリングが良くなって。出球が安定するようになりました」と、難コースでバーディを重ねることができた。



先月、北海道で行われた「ANAオープン」では、たまたま、当地の地区オープンで来ていた幼なじみで、ツアー2勝の秋吉翔太(あきよし・しょうた)が大会前にわざわざ会場の輪厚(わっつ)に来てくれた。

「ハンドファースト気味に構えたほうがいいんじゃない?」と、言われたとおりに打つとそれもまた、向上の契機となり、今もドリルに取り入れている。

高校を卒業してすぐの2011年にプロになり、2戦目のチャンレジトーナメント(現ACNツアー)「きみさらずGL・GMAチャレンジで19歳V。レギュラーは2017年にシード入りし、2018年に初めて最終日最終組に入った「RIZAP KBCオーガスタ(現Sansan KBCオーガスタ)」で初優勝を達成して以降、7季連続で賞金シードを守るが2勝目が遠い。

「まだ始めたてのグリップなので。練習して自分のものにできるように」。
妖怪グリップを手になじませ、難攻不落の三好を攻め落とす。

関連記事