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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2025

上井邦浩が棄権⇒シード権喪失、手術を決意

本大会は、来季の賞金シードがかかる選手たちには事実上の最終戦となる。

現時点のボーダーラインは、出場義務試合数が不足している賞金55位の金成玹(キム・ソンヒョン、21年日本プロによるシード権保持)をのぞいた、同66位の藤本佳則(ふじもと・よしのり)まで。⛳最新の賞金ランキング

それ以下の選手が予選敗退なら、この日の第2ラウンドを持って、シード陥落が確定してしまう。


賞金73位で本大会に入った上井邦浩(かみい・くにひろ)は、しかし予選ラウンドさえも回り切れなかった。
前半9ホール(インスタート)を終えた時点で、左手首痛のため、やむなく棄権を申し出た。


いまは諦めるしかない。決断に後悔なし


2017年に転倒による骨折で手術をした際に、左腕に装着したプレートが、今になって強い痛みをもたらしている。
特に今年の6月ごろからひどくなり、その後、ステロイド剤を4回注射。

最初はそれで抑えられていたのが、次第に効かなくなり、今ではクラブを握ることはおろか、寝返りを打ったり、布団を引っ張ったりするだけで、激しい痛みを伴う。
「グリップするとここだけじゃなく、肩、ひじ、全部痛くなる。手のひらもだんだん開かなくなっている。感覚も毎回変わっちゃうから、もうよくわかんない。このまま続けても一緒。だから、もう取っちゃおうか、って…」。

3年ほど前にも、腕に入れたプレートを外すことも検討したそうだ。
「取ると2か月は動かせないし、神経にさわるからあまりにリスクが高い」と一度は断念した大手術をついに決意。

「普通の生活ならなにも関係ないから、ずっと入れたままでも大丈夫です、ってお医者さんは言うんです。でも、スポーツをやっているから、と言われて」。

来季出場権を取り戻すためのファイナルQTも、いったん断念し、治療に全力する。

昨年も、圏外の賞金95位で入って、最終日の大会7位で賞金65位に食い込み3季ぶり11回目のシード復活に涙をこぼしたが、今年は戦わずして、終わってしまった。
「この状態では諦めるしかない」と、潔くいったんコースを降りた。
「このまま握力が戻らなければもしかしたら戻れないかもしれないけれど…。応援してくださる方のためにもしっかりと治したい」。
リスク覚悟で治療に専念するつもりだ。

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