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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2025

出場643回目。57歳の谷口徹が5アンダー8位タイ発進

57歳が旬な若手2人に挟まれ輝きを放った。
ツアー通算20勝の谷口徹(たにぐち・とおる)がボギーなしの5アンダー「67」をマークし、7人タイの8位発進した。


若手に挟まれ発奮しました(右は片岡尚之)


プレー後に報道陣に呼ばれて、「なんで僕? 5アンダーなんていっぱいいてますやん?」と、うそぶいた。
「代表?」と、とぼける声にベテランの充実感が漂った。

今季これまで12回出て予選通過は3回だけ(棄権2回)。
「1年間、全然わからなかったんですけど。最後にきてよくなってきた」と、ふいに覚醒したのは22歳のレフティ、細野勇策(ほその・ゆうさく)のおかげだ。

「今週火曜日に、ずっとハーフショットを練習しているので「何してんの?」と聞いてみた。
「フルショットをしたらわかんない」などと言われて「なるほど、ハーフショットの延長でポーンと打つようにしたら、いい当たり方が増えてきた」と、後半1番から3連続バーディを奪うなど、即スコアに直結させるあたりはさすが、歴代2度の賞金王である。

若手に紛れて「飛距離が欲しい」と、無理をしていた。
「なんでもうちょっと早く気付かなかったのか。飛距離より方向性が大事。わかってるんですよ、自分では。でも上手くできなかった」と、反省しながら「今はやってて楽しい」と、生き生きする。

昨年大会では予選敗退し、26季守ったシード権を喪失して大号泣した。
熟考のあげく、今季は生涯獲得賞金25位内の1年シードを行使して戦ってきた。

先週の「ダンロップフェニックス」で岩田寛(いわた・ひろし)と宋永漢(ソン・ヨンハン)と予選ラウンドを回り「下手すぎるわ」と、ヘコみながらも「メンバーいいと気持ちも変わる」と、今季3度目の予選突破に成功。

3日目には、小平智(こだいら・さとし)との2サムプレーに恵まれ、「俺と次元が違う」と、感心しながら、得意の小技で凌駕。
その後の小平のインスタグラムに、谷口を称える匂わせコメントが載っていて、嬉しかったという。

20代の片岡尚之(かたおか・なおゆき)と、清水大成(しみず・たいせい)に挟まれて回った初日は、スタートアナウンスで、プロデビューを果たした1992年の「ANAオープン」から数えて出場643試合目(国内のみ)と紹介されて、おおっとギャラリーからどよめきも起こった。

初日の好発進に、尾崎将司の55歳241日を抜く57歳293日の最年長Vや、賞金シードの奪還にも期待が集まる。
「そういうのはもうないですね。たった1試合くらいで」とは本音とも思うが、50歳の「日本プロ(2018年)」で大会最年長Vを飾ったベテランが、今回もすんなり諦めるとも思えない。

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