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大きく育て大二郎。出水田が2打差2位でもっとも長い名前の大チャンス

勝てば日本勢では、もっとも長い名前の日本タイトル覇者となる。
難読な名前を持つ29歳が、2打差2位から首位を追う。

出水田大二郎(いずみだ・だいじろう)が、今年最後の大チャンスで2018年以来のツアー通算2勝目を目指す。



3日目の最終ホールは圧巻だった。
誰もが震えるパー3で作った約5メートルのチャンスは、「カップ3個半は曲がる」という恐怖のバーディパットが、狙い通りの急カーブを描いて決まった。

エースパターの35インチに対して「練習用に」と、1ヶ月前から48インチの長尺パターを取り入れ、「ヘッドの重みを感じながら打つ」と、重ねてきた鍛練が、今年最後の舞台で存分に発揮される。


プロテニスの大阪なおみさんを教えたサーシャ・バイン氏の啓発本からヒントを得て秋から始めた呼吸法も、こういうスリリングな場面でこそ、生かされる。


「夏場に、トップで2日目を折り返したのが2試合ほどあったんですけど、慌てたり、バタバタしてスコアを落としたりしていた。今そういった位置でも落ち着いて出来るようになったのは大きい」と、最終ホールも含めて5つのバーディと、同じ鹿児島出身で、幼馴染みの香妻陣一朗とこの日“唯二”のボギーなしを記録。

5メートルを残した5番や、ティショットを左に曲げながら、3メートルをしのいだ9番のパーセーブが難コースで光る。

「65」の5アンダーでまとめて首位の小平と2打差の通算9アンダーまで伸ばしてこられた。


史上初のアマ2勝を達成した新人、蟬川泰果(せみかわ・たいが)と当たったこの日は、「本当に飛んで曲がらない。凄いゴルフをする」と、飛距離で終始劣勢も、「11番だけ2ヤード勝てた。一生自慢しよう」と、にやりと笑った。


今年6月に、日本予選を突破して「全米オープン」で初メジャーに挑戦。
練習日には、デシャンボーと回る機会を得て、「やっぱ飛距離が凄い」と大興奮した。

本戦は予選カットに7つも足りない通算10オーバーで決勝に進めず「ショートゲームに課題を感じた」と反省しながら、初舞台を満喫してきた。

同じウェアメーカーと、よく似た体型も手伝い現地で松山英樹と間違えたギャラリーにサインを求められたり、「GOヒデキ」の大声援を受けたりで、メジャー覇者の気持ちを疑似体験できた。

「楽しかったけど、いつか自分もダイジローと呼ばれて応援してもらえるように」と、ひそかに誓って帰国した。


今季、予選落ちはわずかに3回。安定した成績を続けて、賞金ランクは27位で2年ぶり3回目の大会初出場を果たしたが、トップ10入りは11月の「マイナビABCチャンピオンシップ」の2位1回だけと、そこは少々物足りない。


今年のラストチャンスで、4年ぶりのツアー通算2勝目なら日本選手としては、史上もっとも長い名前を持つ日本タイトル覇者の誕生だ。

「そうなんですか! ハハハ」と、183センチの長身をのけぞらせて明るい声をたてた。

真ん中にお姉さんを挟む3きょうだいの末っ子は、「2番目の男の子だけど、大きく良い子に育ちますように」と命名された。


「この試合に出ることを目標に1年間やっている。出れるだけで光栄ですけど、出たからには優勝したいですし、チャンスも大きいかなと思います。優勝できれば最高ですね」。

59回の優勝リストに「出水田大二郎」の6文字を乗せる。


GOダイジロー!

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