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2021年QT覇者。エバンスの冒険

昨年の「ファイナルQT」で、大逆転優勝。

2022年度のシード権を獲得した。

 

アンドルー・エバンスはオーストラリアのシドニー出身。



パンデミックの当初、母国では特に厳しい渡航制限がしかれており、2020年はついに1試合も出られなかった。

 

年が変わっても、状況は変わらなかった。

いったん国を出てしまうといつ帰れるともしれなかったが4月に覚悟の来日。

 冒険に打って出た。

 

翌5月の選手会主催大会「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」から合流し、ABEMAツアーとの掛け持ち参戦を開始した。

 いずれの賞金ランキングでも、資格のある順位には入れなかったが、4位に食い込んだABEMAツアー最終戦「ディライトワークス JGTO ファイナル(10月20日ー22日)」を追い風にした。

 

12月の「2021年度ファイナルクォリファイングトーナメントSupported By SMBCモビット」の最終日に「65」を出して6打差を逆転。

 「この優勝で、2022年のほぼ全試合に出場できるそうですが、そもそもあの状況で、僕が優勝できただなんて、今だに現実味がありません」と、エバンスは言う。

 

母国を出発してから、2022年のシーズンチケットを手にするまで、実に8ヶ月以上の超・長旅。

 

とりわけ10月のサードQT受験まで、2ヶ月近くも日程が空いたのはきつかった。

 その間も、もちろん国には帰れず、調整も十分とはいえなかったが気持ちを切らさず土壇場で力を発揮。

 「出国の時は不安でたまらなかったですし、想像していたとおり、日本での転戦はけっして楽ではなかったですが、リラックスにつとめて、最後に最高の結果を出すことができました」。

 

エバンスの大冒険は、ひとまず大成功でエンドマークを打つことができた。

 

「日本のトーナメント運営は非常に行き届いていますし、何より日本には素晴らしいコースがたくさんあります。来年から優れた選手たちと競争できることも、また素晴らしいですね」と3月31日に、三重県の東建多度カントリークラブ・名古屋で開幕する「東建ホームメイトカップ」を心待ちにしている。

 

タイガー・ウッズが初優勝を飾った1997年のマスターズをテレビ観戦して、ゴルフを始めた。

 2006年にプロ転向し、2011年にプロデビューを果たした。

2017年から日本でもプレー。

2019年のファイナルQTでは30位に入り、翌20年のツアー出場権を獲得したが、コロナ禍で同年は1試合も出場できなかった。

 

失意から這い上がり、2021年3月の母国ツアー「クイーンズランドオープン」で、悲願の初優勝を飾るとその勢いのまま、再び日本に挑戦。

36歳の遅咲きが、今年はさらなる飛躍の大チャンスだ。

 「より多くのトーナメントでプレーして、2022年をプロ人生の分岐点とするつもりです」と、再び旅支度を始めたエバンス。

 ワクワクドキドキの第2幕がもうすぐ開ける。

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