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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2020

2度目の隔離は夢見心地! チャン・キムが最終戦V

アオキサン、アリガトウ。センシュカイノミンナ、アリガトウ©JGTOimages
遅れてきた飛ばし屋が、今年最後の頂点に立った。チャン・キムが、激動の2020を逆転優勝で締めた。

3人首位で並んで入った屈指の18番パー3で、1.5メートルのパーパットを残した。
「どうしてもここは決めなければならない。手が震えた」。
どうにか沈めて先に通算8アンダーで上がったが、プレーオフは覚悟した。

だが、まさか、最終組の岩田と谷原が最終ホールでボギーを叩いて、歓喜は転がり込んだ。

タイのガンと、韓国のペクが即座にペットボトルの栓を抜いて向かってきた。30人中、今年は出場3人にとどまった海外勢のうちの2人が揃って、水シャワーでお祝いをしてくれた。

昨年の日本オープンに次ぐ、自身2度目の”日本タイトル”で、ツアー通算5勝目を飾った。
「頑張って、大好きな日本に帰ってきて本当に良かった」と、喜んだ。

9月の再開初戦は、新規ビザの発給が間に合わずに見送ったが、11月の「三井住友VISA太平洋マスターズ」でようやく今年の初戦を果たした。
入国後、2週間の隔離期間を承知で「僕に、出ないという選択肢はなかった」と、言った。
「JGTOや選手会から政府に働きかけてもらって頂いた、またとない出場のチャンス。生かすべきと思った」。
成田空港近くで、身長188センチの大男のホテル缶詰は、それは窮屈だったが、不便もこらえて合流して本当によかった。

来日してすぐ2週とも、トップ5を続けてわずか2試合で、30人と限られた今大会の出場枠に飛び込んだ。
10月の「ZOZOチャンピオンシップ」では、タイガー・ウッズと同組でラウンド。
「確かに、ウッズ選手とのプレーは夢でしたが、この試合で勝てたことが、私の今年のハイライトです」と、迷わず言った。

まだ6試合が終わったばかりだが、20−21年シーズン統合の賞金ランキングは2位に浮上。初の賞金王獲りへ「ベストを尽くす、としか今は言えないですけど頑張りたい」。
2年連続4度目の飛距離日本一の記録もかかるが、今年はコロナ禍で結局、計測自体ができなかった。
「今はドライバーが本調子でないから、測られずに良かったかも」と、笑う。
「もちろん、一番楽しみにしているスタッツ。来年にはぜひ計測を再開してもらって、ベストな状態で測ってもらえれば」と、早期の収束を祈る。

この足で、祖父母らが待つ韓国に”凱旋”。「1月上旬に、アリゾナの自宅に帰るまで、おじいちゃんたちと過ごします。久しぶりに会えるのが、本当に楽しみ!」。
今回は、2週間の我慢が明けたらすぐ、クリスマスにお正月。
1カ月で2度目の隔離措置も、今度は夢見心地で過ごせそうだ。

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