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三井住友VISA太平洋マスターズ 2020

谷口徹が今年の第一号を達成、…したけれど。

今季初の快挙を記録したのは52歳のベテランだった。谷口徹が、178ヤードの7番パー3で6番アイアンを使ってホールインワン。2020年の第一号となった。

だが、「嬉しくない。渋野日向子ちゃんと一緒になったので、がっかりでした」。
前ホールのダブルボギーを払拭するにも十分なはずの、美味しい1打。
「バウンスバックのさらに上を行ったと思ったけれど」。
達成試合で、必ず予選落ちをするという、女子プロの人気者の不名誉なほうのジンクスを踏襲。

思えば前回、谷口の自身3度目は昨年5月の「アジアパシフィック ダイヤモンドカップ」だった。
こちらは”令和最初”の名誉となったが、やっぱり予選は落っこちた。
今回もまた、通算7オーバーでカットラインに1打足りずに敗退。
「ゴルフが下手くそになってから、なぜかよく入るようになった」と、せつなく肩を落とした。

コロナ禍の無観客試合が、ベテランをさらにヘコました。
「ピン筋に飛んだ」と、手応えはあったがカップインの瞬間は、見えなかった。グリーンの向こうに、ポツリとフォアキャディさんの姿が見えたが拍手もなく、ボールも見当たらない。
「バンカーか…」と、がっかりして行ったら「入りました」と、小声で言われて喜ぶより拍子抜け。
「味気ないホールインワンでした」といったん、通算2オーバーまで盛り返したが、その後は5つのボギーであれよと後退。

「ギャラリーがいてくれたら、一緒に喜んだり、励まされたり、ひとことあると頑張れる。モチベーションが下がっている時こそ力になる」と、ファンのありがたみを改めて痛感。

「今は、仕方ない。試合をやっていただいているので、いいプレーをしないといけない。今は、自分で盛り上げていくしかない」。めげそうになるのを、懸命に鼓舞しながら帰り支度にとりかかった。

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