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関西オープンゴルフ選手権競技 2019

レギュラーツアーを満喫したい! 50歳目前の藤田寛之が"開眼"

若々しいオレンジのポロシャツに、胸元の英ロゴ「HOTSHOT」は「よっ、名人!」といった意味合いか。来月、50歳を迎えるパターの名手が持ち味を取り戻して好発進した。
66を出した藤田。
「最近はパットとか、ショートゲームで苦労をしていたので。そのあたりでこういうスコアに結び付くんだな、と再確認できた」。
面積が広くうねるグリーンで、得意のパットが面白いように決まった。
13番ではエッジからパターを持った10メートルのバーディトライを沈めた。
14番では4メートルのフックラインを逃さず、左奥から12メートルを狙った15番は、長いスライスラインを読み切り圧巻の3連続バーディを奪った。

「ナイスプレー、と声をかけてくださる方も増えて。これだけ大きいスコアが出ると気持ちいい。久々の感覚でした」。

来月16日に50歳の誕生日を控えて「日々年取っていく自分が嫌になる。背中痛いし、朝眠いし、目は見えないし」。
普段はいよいよ老眼鏡を使いだしたが「グリーン用のも誰か、開発してくれませんか?」とは切実な悩み。
年齢からくる視界不良をあの手この手で懸命に補う。
今季から、使い始めた黄色いカラーボールは悪天候時も遠くの落下地点がくっきり見えて「楽しい!」。
ショットの高揚感に、気持ちも自然とアガる。
そして同時に「生まれて初めてラインを入れてみました」。
打ちたい方向に対してまっすぐ構えられているかどうかを確認するために、ボールに線を書き込む選手は多いが、「自分は感覚的にやりたい」と今まで頑固に避けてきた。
「やってみると、見えてくるものがあった」と、老眼の視野もパッと開けた。
スタート前に黄ボールに書き込む赤ラインに対して「自分のパターヘッドがまっすぐ向いてなさ過ぎた」。
年齢と共に、知らずに生じていたアドレス時の微妙なズレにも気づくことができたという。

試合時には今もエースのピンパターが、プロのプライド。
でも練習では柔軟に、中尺パターも使ってみるなど寄る年波と懸命に戦う。
オフは週2回の筋トレと、芝生の上で飛んだり跳ねたりする「フィールドトレ」を交互に「40歳を超えて、より体のケアをするようになりました」。
弟弟子の宮本がいまだに目を剥く"練習の虫"は、相変わらずでも「量は減らして自分に優しく」。
来月には船舶免許の取得に挑戦。
「釣りをやったり、クルージングをしたい」とゴルフ以外の趣味にも目を向け始めたのも50歳を目前にして、大きな変化である。

若い子を相手にムキになったのも、初の賞金王(2012年)に輝いた40代前半がピークだった。
この日は、アマチュアの小野貴之さん(滝川第二高2年)に目を細めて「自分の息子と2つしか違わない。今日もすごく良いゴルフをしていて応援したくなっちゃう」。
5月の中日クラウンズでも励みにしたのは宮本の劇的Vよりも、むしろ「師匠の芹澤さんが、7年ぶりに予選通過を果たしたことでした。僕も少しでも長くレギュラーツアーで戦えるような選手でいたい」と、てらいもなく本音を吐露した。

来週月曜日には、藤田も1日36ホールの全米オープン予選(三重県・桑名カントリー倶楽部)に挑戦するが「50歳を超えるということで、今回が最後。残り少ないレギュラー生活を、満喫したい」。
ベテランの妙味に遊び心を加えて、ゴルフを楽しめるようになってきたところである。

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