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日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills 2019

雷雨にも負けず。タイ出身の"ガンちゃん"が難コースで65

令和最初の日本タイトルで、史上初のタイ人覇者を狙うのは"ガンちゃん"ことガン・チャルングン。日本に来て2年目の27歳は、公私ともに今もっともノってる選手の一人だ。

早朝6時20分の第1組でコースに出た2日目は、9番まで行ったところで競技中断と気をもむ展開にもリズムを崩さず、再びコースに戻ると10番で12メートルを沈めるなどそこから3連続バーディを奪った。

ラフの深いセッティングは「入れないようにと思うとプレッシャーがかかる。しっかり練習してきました」。
距離の長い17番でも第1打をラフに入れたが2打目を冷静に、池の手前に刻んで4メートル残したパーパットも逃さなかった。
大雨の宍戸でボギーなしの6アンダーで回って、目標に一歩大きく近づいた。

「憧れの日本ツアーで長く活躍するのが夢なんです」。
大先輩のマークセンをお手本に、2年前に来日。本格参戦2年目の今季は、「デキた奥さんがすごい」と、仲間内でも評判だ。
5年前に先輩プロの紹介で交際を始め、今年3月18日に入籍したコイさんは、東京国際大学で学び、渋谷の旅行会社に就職し、のちタイに戻ると日本有数のメガバンクのタイ支社で2年勤めた"エリート"。

結婚を機に仕事を辞めると兼キャディ、兼マネージャー、兼主婦業と手広く「飛行機も、ホテルの予約も通訳も、洗濯もすべて私が」という献身ぶりだ。

「コイちゃんが担ぐと必ず活躍する」と交際中から畏れられていた(?)とおりに今年は先週のミズノオープンで自己ベストの3位タイに入って初の全英切符をもぎとるなど、いま大注目のカップル!

6つ上の女房を見つめる目も優しく、「去年までよりプレッシャーも少ない。彼女とならリラックスしてプレーができます」。
デキたキャディを支えに"ガンちゃん"が、大会20年の歴史に偉業を打ち立てる。