Tournament article

南秋田カントリークラブみちのくチャレンジトーナメント 2018

宮里美香も祝福!比嘉一貴が持っている2つの強さ!

これが本当の意味でのスタート地点になる
第1ラウンドで5アンダー66をマークして首位タイに立った比嘉一貴。2日間の短縮競技になったため、組み替えはなく最終日のスタートはトップから2組目と早かった。
「自分のスコアを見ながらスタートする選手も多いと思うので、できるだけ伸ばしておきたいという気持ちはありました」。
その言葉通りに序盤から好調なゴルフを展開する。前半の9ホールで6つスコアを伸ばすと、目標スコアを今日だけで10アンダーに設定。後半も14番、15番で連続バーディを奪い、最終ホールを迎えた時点でスコアを通算13アンダーまで伸ばしていた。この時点でもちろん単独トップ。しかしここで守りにいかないのが比嘉のハートの強さだ。結果的には池に入れてしまい最終ホールをボギーとしてしまうが「仮にあのボギーが原因で追いつかれたり、逆転されていたとしても後悔はしていないと思います」。攻めきって勝とうと言うその姿勢にスケールの大きさを感じずにはいられない。

比嘉は東北福祉大出身でナショナルチームに6年間選出されていたエリート中のエリート。将来を有望視される存在だったが、昨年のサードクオリファイングトーナメント(以下QT)のセカンドラウンドでスコア記入を誤り、失格になってしまった。レギュラーツアーどころかAbemaTVツアーへの出場すら厳しい状況になってしまった。だから今回は予選会を突破しての出場。自分の失敗に落ち込んだ時期もあったが、周囲の人に支えられ、先輩である松山英樹からは世界へ出ろとアドバイスをもらったと言う。意を決してアジアンツアーのQTを受けると下部ツアーへの出場権を得て、さらには参戦した1戦目で優勝を飾ってしまった。少ない与えられたチャンスをものにできる勝負強さはまさにプロ向きと言っていいだろう。今回の優勝で今シーズンのAbemaTVツアーへの出場権を得ることになった。さらには8月の『RIZAP KBCオーガスタ』へも出場することができる。出場資格が無いからこそわかる少ないチャンスの重み。それを活かせる強さを比嘉は持ち合わせているのだ。
ちなみに今回男子ツアーに挑戦した宮里美香とはちょっとした思い出がある。比嘉は沖縄県出身で、宮里と同郷。比嘉がゴルフを始めたばかりの小学校4年生の時に、練習場に宮里が訪れ、挨拶をすると「じゃあ一緒にラウンドしようよ」とそのままコースへ行き、2ラウンドもしたと言うのだ。それ以来、比嘉にとっての憧れの存在で、今回は12年ぶりの再会となった。このことは宮里も記憶していて、比嘉の活躍はずっと見ていたとのこと。今回、比嘉は宮里が参戦することを会場に来るまで知らなかったが、このタイミングで勝てる比嘉はまさに“持ってる男”と言えるだろう。
  • 同郷の後輩の優勝を祝福した宮里

関連記事